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〈短歌〉2024年3月

変わらずにいられるようにあんなにも願った頃の夢は見なくて

熱があるときだけ気づく輪郭線こんなところに骨があったか

情けない日も血液は燃えていて生きろ生きろと心を撫でる

マンションの影に追われてベンチからベンチへ猫の昼寝みたいに

一万キロ先か隣か知らないが誰かも独り眠れずにいる

この角を曲がれば春に辿り着く嘘がほんとになるまで見ていて

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