yellowdali

シャープペンを集めています。過去紹介してきたことをまとめていこうと思います。

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シャープペンを集めています。過去紹介してきたことをまとめていこうと思います。

最近の記事

日本のシャープペンシルの歴史8(新規参入メーカー1)

はじめに前回までは震災前後にシャープペンシルを製造し続けているメーカーのことを紹介してきました。今回からは震災後に新しくシャープペンシルを製造し始めたメーカーを紹介していきます。大正末から昭和初期に製造を開始し、シャープペンシルブームを牽引するメーカーも数多く生まれました。 震災後にシャープペンシルの製造を開始したメーカー1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が起こり、東京の東側にあったメーカーは大打撃を受けました。そのため、廃業したメーカーも数多くあったことを紹介し

    • 日本のシャープペンシルの歴史7(製造メーカーの発展2)

      はじめに前回は、関東大震災に耐えたシャープペンシルメーカーの事を紹介しました。前回紹介したメーカー以外にもまだ、震災前後にシャープペンシルを製造し続けているメーカーはありました。そのため、今回も震災前にシャープペンシルを製造し始め、震災後も製造し続けていたメーカーの事を紹介していきたいと思います。 震災後も製造し続けていた製造メーカー1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が起こりましたが、大手万年筆メーカーであったスワン万年筆製作所は、震災後発行された「日本文具新聞」

      • ぺんてる ケリー(KERRY)コレクション(*B)

        はじめにシャープペンシルを集め始めたころ、骨董市や文房具屋巡りをしている中で、時々ケリーを見かけることがありました。骨董市の場合は色が剥げていたり、かなり使い込まれているものもあり、状態の良いものは購入するようにしていました。文房具屋ではちょうど色のラインナップが変わる時期で、昔の色のケリーを見かけたら購入していました。今でもそうですが現行品のため、あまり熱心に集めることはしていませんでした。 集めるきっかけになったのは2011年頃、海外でケリーの0.7mmが発売されているの

        • 日本のシャープペンシルの歴史6(製造メーカーの発展1)

          はじめに前回は、関東大震災によりシャープペンシルの製造を断念せざるを得ないメーカーの事を紹介しました。しかし、この震災に耐えたシャープペンシルメーカーもありました。また、震災後に新しくシャープペンシルを製造し始めるメーカーも出てきて、更に日本にシャープペンシルが広がっていきました。今回は震災前からシャープペンシルを製造し始め、震災後も製造し続けていたメーカーの事を紹介していきたいと思います。 震災後も発展した製造メーカー1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が起こりま

        日本のシャープペンシルの歴史8(新規参入メーカー1)

          日本のシャープペンシルの歴史5(震災の影響)

          はじめに前回は日本でシャープペンシルがブームになった、大正10年頃の事を紹介しました。アメリカから輸入されたエバーシャープペンシルに似たシャープペンシルを、様々な日本のメーカーが製造し始め、一大ブームとなりました。今回はその後、更にシャープペンシルが広まっていく中で、製造メーカーが多くあった東京で起きた関東大震災により、どのような影響がもたらされたかを紹介していきたいと思います。 関東大震災前後1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が起こり、東京にあったシャープペンシ

          日本のシャープペンシルの歴史5(震災の影響)

          日本のシャープペンシルの歴史4(第一次シャープペンシルブーム)

          はじめに前回はシャープペンシルが日本に上陸した頃の事を紹介しました。そして、時系列的には1回目に紹介した”日本での呼び方”の内容である1920年(大正9年)頃の話が続きとなります。そして今回はその続きとして、新しいメーカーや万年筆を作っていたメーカーが続々とシャープペンシル製造に参入して、日本にシャープペンシルが広がっていった頃の事を紹介していきたいと思います。 ブームのきっかけ1920年(大正9年)、日本のシャープペンシル史の中で、ターニングポイントとなる出来事が起こりま

          日本のシャープペンシルの歴史4(第一次シャープペンシルブーム)

          古今東西シャープペンシルの種類 その3 / (オマス Omas)

          今回はイタリア オマス(Omas)社のシャープペンシルです。 オマス社と言えば、イタリアの老舗万年筆メーカーとして有名だと思います。12面体の軸や、きれいなマーブル模様が特徴的な万年筆を製造しています。1925年、イタリアのボローニャに設立されました。 シャープペンシルも万年筆とセットで、オマス エキストラ(Omas EXTRA)というモデル名で1932年から製造し始めています。クリップの先端にローラーが付いていたり、ボディに雷文(ラーメンどんぶりの模様)のバンドが付いて

          古今東西シャープペンシルの種類 その3 / (オマス Omas)

          古今東西シャープペンシルの種類 その2 / (クロス A.T.CROSS)

          このテーマでは、集めてきたシャープペンシルの、メーカー、年代、種類別に紹介させて頂ければと思います。 今回はアメリカ クロス(A.T.CROSS)社のシャープペンシルです。 クロス社と言えば、万年筆やボールペンなどの筆記具全般を販売しているメーカーだと思います。特に1946年に発売されたセンチュリー(Century)のボールペンは日本でもとても有名です。 しかし、このクロス社は1865年頃からシャープペンシルを製造している、老舗ペンシルメーカーでもあります。150年以上

          古今東西シャープペンシルの種類 その2 / (クロス A.T.CROSS)

          日本のシャープペンシルの歴史3(日本上陸)

          はじめに前回はシャープペンシルの誕生から日本に上陸する前、19世紀のシャープペンシルを紹介しました。今回はこの海外の状況を踏まえ、日本ではどのようにシャープペンシルが上陸したかを投稿させていただきます。 当時の状況当時の状況を紹介している資料はあまりないですが、明治41年発行の「明治事物起源」、昭和47年発行の「文具の歴史」と、平成7年発行の「シャープペンシルのあゆみ」に載っていました。 明治四、五年ころは、只ポット、ロードと呼びて、鉛筆の名もなく、象牙軸の繰出し式のもの

          日本のシャープペンシルの歴史3(日本上陸)

          日本のノック式シャープペンシルのこと

          ノック式シャープペンシルの「世界初」はどこが最初かはっきりとしたことはわかっていない。Montblanc(ドイツ)かCaran D'ache(スイス)かEdacoto(フランス)か、はたまた日本か、特許出願時期や製品の販売広告時期から調査しているが確証には至っていない。 日本のノック式シャープペンシルの特許出願は大正12年頃から出ているが、実際に製品として出ていたかは不明である。 製品の広告と実物が一致して手元にある、一番古い日本製ノック式シャープペンシルは「ラッシュ モ

          日本のノック式シャープペンシルのこと

          日本のシャープペンシルの歴史2(日本上陸前夜)

          はじめに前回は日本でのシャープペンシルの呼び方の記事を投稿いたしました。大正時代のシャープペンシルのことを書いたのですが、その前、日本に輸入されたころ、さらには日本に輸入される前のシャープペンシルのことも書きたいと思い、前後してしまいますが、シャープペンシルが世界で産声を上げた時代のことを今回投稿させていただきます。 また、「ぺんてる シャープペン研究部」でも、シャープペンシルの歴史のことが投稿されていましたが、その冒頭部分の所をもう少し詳しく紹介していければと思います。

          日本のシャープペンシルの歴史2(日本上陸前夜)

          純銀ケリー【#忘れられない一本】

          シャープペンシルを集め出してからしばらくした、2001年4月、青山にペンブティック「書斎館」がオープンすると聞き、早速訪れました。当時は筆記具専門店はあまりなく、カフェも併設されているので度々訪れるようになりました。現行品や限定品、ヴィンテージのシャープペンシルもあり、毎回店員さんに色々と見せて頂いていました。 その中で、オープン記念としてぺんてるのロングセラー商品「ケリー」の純銀バージョンが限定品として販売されていました。限定数は10本!そのため、お値段もとても高くなかな

          純銀ケリー【#忘れられない一本】

          古今東西シャープペンシルの種類 その1 / (パーカーのデュオフォールド ベストポケットタイプ)

          このテーマでは、集めてきたシャープペンシルの、メーカー、年代、種類別に紹介させて頂ければと思います。 今回はアメリカ パーカー(Parker)社の1930年代のペンシルです。 モデル名はデュオフォールド(Duofold)になり、モデルの中でも一番小さい”ベストポケット(Vest Pocket)”タイプを紹介します。 モデル名のデュオフォールドは今でも販売されているパーカーのフラッグシップモデルです。1921年から現在まで様々な種類が発売されており、分厚い一冊の本になってい

          古今東西シャープペンシルの種類 その1 / (パーカーのデュオフォールド ベストポケットタイプ)

          日本のシャープペンシルの歴史1(日本での呼び方)

          はじめに 今まで他のブログで紹介してきた内容を少しまとめながら紹介していきたいと思います。 日本のシャープペンシルの歴史を調べるために、数年前、国会図書館で文献調査をしました。日本で発行された図書は殆どあるはずですが、さすがに明治、大正の文献は無いものが多くありました。その中でも、シャープペンシルのことについて載っていそうな文献を調べると、文房具関係の業界新聞があることがわかりました。 1900年(明治33年)創刊で、今でも発行されている「日本文具新聞」が 所蔵されている中

          日本のシャープペンシルの歴史1(日本での呼び方)

          はじめに

          大学生の頃からシャープペンを集めている。もう二十数年たった。クルトガ以降、近年新しいシャープペンの人気が盛り上がってきて、とても嬉しい。色々な人が色々な角度から色々な考えを持ってシャープペンのことを考えてくれているようになり、それを表現して様々な場所で実感できることが楽しみだ。 一方、自分は最近忙しさに流され、シャープペンのことの発信を怠っていた。ちょうど、ぺんてるさんの#シャープ研究部 や#ケリーキャンペーン が始まってオンタイムで参加させてもらった。できた理由は今入院中

          はじめに