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数行日記 10月の旅

10/8 (日)
北海道から東京、埼玉。前の大家さんと会う。四ッ谷はマンションと駐車場が増えていた。大家さんがやけにいつもより喜ぶように見えたから、嬉しいような照れるような。実家、母がまた好物のチキンカツを作ってくれる。父がラグビーを熱心に見ている。犬は少し太ってた。

実家の犬

10/9 (月・祝)
埼玉から糸魚川。新潟はなんか甘い匂いがする。自分なりにでも真面目にやってると、人の縁には恵まれるのかもしれない。「いまは何が楽しみですか?」って聞かれて、不思議と嬉しい気分になる。

雨の糸魚川から日本海

10/10 (火)
糸魚川から金沢。モーニングに入った喫茶店のママと常連さんたちが素敵だった。夜は北海道の友達と雨の金沢で遊ぶ。ここ数日、部屋に着くとすぐ寝てしまう。起きたらベッドの掛け布団の上にいる。子供か。

金沢城とteamLab

10/11 (水)
金沢から能登。教室の窓から海が見えた。いろんな人がいろんな想像のなかでこの海に、色んなものを浮かべてきたんだろうな。生徒に「ふざけて飛び込む生徒いないの?」って聞いたら、「ごく稀にいます」だって。埼玉県民ってすぐ海に飛び込むから嫌だわぁほんと。わたし。

海の見える教室

10/12 (木)
能登から加賀によりみち、そして京都。前にも1人で京都に来たことがある。もう10年も前のことらしい。その後に2回、それぞれ別の機会に京都に来た。その時は誰かといた。好きな町を1人で歩く。むかし義経は五条の橋の上で弁慶に会った。当然だけど、俺は歩いていても弁慶には会わない。

京都タワー

10/13 (金)
朝から友人とモーニング、バスで嵐山へ。おいしいタマゴサンドを食べて、タマゴサンドを好きになる。嵐山をバスで通った時、母が昔その辺りで暮らしていたことをふいに思い出す。店に入らなくても、座ってひと息つける場所、つきたくなる場所があるのは京都のいいところ。

嵐山の川沿い、バスの中から

10/14 (土)
大阪。旅のなかで歳を重ねる。太陽の塔を見た。1人でふらふら歩いていると、いろんな人が声をかけてくる。そういう軽めの出会いや優しさが嬉しい日だってある。「あ、結構です」のジェスチャーをしたはずが、ビールの売り子の女の子が「買いますよ」と勘違いして満面の笑みでやってきた。昼間からビールを飲む誕生日、柄じゃないけど悪くない。一口飲んだ瞬間に豪雨に包まれた。売り子の女の子は、僕が渡した千円札を持ってすごい勢いで捌けていった。風邪引くんじゃねーぞ。夜は梅田、プリクラを数億年ぶりに撮った。宇宙人だった。

黒い太陽

10/15 (日)
午前中はだらだら寝る。昼過ぎから友達と京都の街並みを散策。ご飯屋さんを選んでる時間の会話って良いですね。秋の京都、気候も相まって穏やかな時間が流れてた。すぐに日が暮れて、歩いてホテルに戻る。京都に来た本来の目的を忘れていたことを、寝る直前に思い出す。楽しかった証拠。

AMBIENT KYOTO

10/16 (月)
眼鏡を失くす。10年前にも京都で眼鏡を失くした。京都は楽しい時間と引き換えに、僕から眼鏡を奪ってくる。珍しく時間に追われずに搭乗手続きを済ますとホテルから電話がかかってくる。眼鏡が見つかった。京都に無実の罪を着せるところだった。帰りの飛行機から見下ろす街に、雲ひとつかかっていなかった。街がジオラマみたいに遠ざかっていく。数日後、着払いで届く眼鏡を受け取っても、楽しかった時間は返さない。

たった一週間じゃ季節は変わらない。道路沿いを走る野生の鹿もうちの近くの川沿いの工事も、一週間前と同じ景色。少し肌寒く思える今日の秋晴れを、昨日も一緒にいたみたいに話しかけてくる学生たちに囲まれて、まだ少し好きでいられる北海道。もうすぐ冬が始まる。

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