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ナナメエッセイスト @厚真町 1992年生まれ。埼玉県で育って、東京でいくつか仕事をし…

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ナナメエッセイスト @厚真町 1992年生まれ。埼玉県で育って、東京でいくつか仕事をしたあと、2021年に北海道へ移住(8月~)。地域おこし協力隊として、文章やポッドキャストで人の暮らしを発信します。ありきたりでいて、心の隙間に残り続けるような人の生活や自然が大好きです。

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    「ライナーノーツの意味、知ってる?」

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    移住エッセイ『生活の幽霊たち』

    基本的にはこの1年、noteに書いてきた「移住雑記」に加筆修正を加えただけで、ほとんどブログのまとめのようなものになっています。これに向けて新たに書き下ろしたものは2本だけです。もし内容に興味がある方は僕のnoteの方で読んでいただければ、そちらは無料なので是非。 https://note.com/yellownotes 北海道に来て1年、来月30歳を迎える自分にとって、本をつくるというのがひとつの区切りになると思っていたので、今回こうして制作をできて本当に良かったです。 いつもnoteを読んでいただき、良かったよと声をかけてくださった方々にも頭が上がりません。いつも本当にありがとうございます。これからも書き続けます。 《加藤千昇 ZINE『生活の幽霊たち』黄色い車文庫》 ◎価格500円 ◎A5サイズ 52ページ noteに掲載している「移住雑記」より12本、他エッセイ2本、書き下ろし「岬の灯台」「幽霊になりたかった」の2本をまとめたものになります。挿絵としてパステル画を3つ載せています。東京から北海道へ、移住生活の出会いと日々の記録をまとめました。
    500円
    黄色い車文庫
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    移住エッセイ『生活の幽霊たち』

    基本的にはこの1年、noteに書いてきた「移住雑記」に加筆修正を加えただけで、ほとんどブログのまとめのようなものになっています。これに向けて新たに書き下ろしたものは2本だけです。もし内容に興味がある方は僕のnoteの方で読んでいただければ、そちらは無料なので是非。 https://note.com/yellownotes 北海道に来て1年、来月30歳を迎える自分にとって、本をつくるというのがひとつの区切りになると思っていたので、今回こうして制作をできて本当に良かったです。 いつもnoteを読んでいただき、良かったよと声をかけてくださった方々にも頭が上がりません。いつも本当にありがとうございます。これからも書き続けます。 《加藤千昇 ZINE『生活の幽霊たち』黄色い車文庫》 ◎価格500円 ◎A5サイズ 52ページ noteに掲載している「移住雑記」より12本、他エッセイ2本、書き下ろし「岬の灯台」「幽霊になりたかった」の2本をまとめたものになります。挿絵としてパステル画を3つ載せています。東京から北海道へ、移住生活の出会いと日々の記録をまとめました。
    500円
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最近の記事

ゆのみのはなし 3

こんばんは、お元気ですか。 コラム連載は3週に1回、3週間×3回分も書いて回すと、季節はどうやったって早く過ぎていくもので、その早さに振り落とされないように器用さを身につけたいと思う今日この頃。今日は冬至なので、例年でいうと個人的には1年で一番元気のない日ということになっていそうなものが、案外平気に生きています。 寒さはどんどん厳しくなってきていて、北海道だと最高気温が0度以上になる日は珍しく、最低気温は毎日マイナス2桁台。とんでもねえ環境だわ。3回目の北の冬なう。 こ

    • ゆのみのはなし 2

      いよいよ寒くなってきた。北海道に来てから、大きく風邪を引くことはめっきりなくなったけれど、毎年この秋から冬の、寒さがぐんと深まる時期に僕はいつも首を痛める。その原因は、寒くて肩に力が入ってしまうせいだと勝手に思っている。最初の年も、その次の年も、信じがたいほどの首の痛みは必ずやってきた。 首の痛みっていうのは、本当に生きる力を削いでいく。何をしていても常に首の痛みがそこにある。その間はほとんど人とのコミュニケーションもまともにとれない。視界の全てに、会話の語尾の全てに、五感

      • 数行日記 10月の旅

        10/8 (日) 北海道から東京、埼玉。前の大家さんと会う。四ッ谷はマンションと駐車場が増えていた。大家さんがやけにいつもより喜ぶように見えたから、嬉しいような照れるような。実家、母がまた好物のチキンカツを作ってくれる。父がラグビーを熱心に見ている。犬は少し太ってた。 10/9 (月・祝) 埼玉から糸魚川。新潟はなんか甘い匂いがする。自分なりにでも真面目にやってると、人の縁には恵まれるのかもしれない。「いまは何が楽しみですか?」って聞かれて、不思議と嬉しい気分になる。 1

        • ゆのみのはなし 1

          久しぶりの更新となりました。ご無沙汰しております。 夏至も過ぎ、夏本番といった暑さが連日続く今日この頃ですが、元気にお過ごしでしょうか。半年以上も更新が滞っている間にこちら、文章を書けなくなったり髪が伸びたり掌のマメがつぶれたり、付き合ったり別れたりしております。30代の正しい時間の使い方をまったく心得ていませんが、いい音楽を聴いていい酒を飲める夜に楽しく人と過ごせればそれでいいと思うようになりました。ラブアンドピース、ロックアンドロール。 6月から苫小牧民報の「ゆのみ」

        ゆのみのはなし 3

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          「冬が実は嫌いじゃないかもしれない」11カ月連続更新を達成するためのただの戯言

          鹿事変が11月末のことで、ちょうどあの日から始まった冬が深まる1月の終わり。厚真町は連日マイナス2桁台の気温で包まれている。北海道の他の地域に比べて、圧倒的に雪は少ないけれどその分朝晩の冷え込みはとんでもなく辛い。時々、「ここは人が生活していい場所ではない」と思う。最近見たYouTubeの動画で「世界で一番寒い町ヤクーツク」がマイナス71度だということを知ったが、人はどこにでも住むらしい。火星や月に人が住む日も近い。 「冬が寒くって本当に良かった」と歌い出すBUMP OF

          「冬が実は嫌いじゃないかもしれない」11カ月連続更新を達成するためのただの戯言

          ケーキを買って車が止まって、火球が落ちた日

          高速道路上で最後を迎えた黄色い車のなか、2022年12月25日 クリスマス 雪や道路凍結で相次ぐ事故の影響で街のレッカー車は出払っているらしい。待てど来ず、エンジンのかからなくなった車内の温度が徐々に冷え込んでいく、あまりに生々しい「終わり」を思わせる。すでに車が動かなくなってから1時間が過ぎている。 先月の末、鹿との衝突を機にフロントは大きく凹み、走行には問題のなかったもののフレームごと大きく歪んだ。心の整理と新しい車探しをだらだらと、気が付けば12月も下旬。ようやく見

          ケーキを買って車が止まって、火球が落ちた日

          【雑記】カレーと祖父と本音の「ね」

          最強のカレー 占いが一位だった日に、カレーを作ることにした。 スパイスも入れるけど、市販のルーで作る普通のやつを。 12分の1くらいの確率で回ってくる「いいこと」と言えば、「作ったカレーが美味しかった」くらいが良いと思っている。せっかくなので、SNSで友人たちに「おいしいカレーの作り方」を聞いてみたところ、「赤ワインで肉を炒める」とか「ニンニクで玉ねぎを炒める」とか、まあいろいろとアイデアが集まってきた。 東京に住んでいた頃、美味しいハンバーガーショップを近場で探すとき

          【雑記】カレーと祖父と本音の「ね」

          トンネルの化物

          その入口に観光案内所で借りた自転車を止める。人のいない山の中、坂道をせっせと漕いできた自分の鼓動はまだ落ち着かない。広島県、大崎上島町の上組トンネルの前にいる。 「片方の入口の赤レンガの佇まいと、もう一方の石造りの雰囲気が全然違う」 かつて住民たちが手作業で掘り進めた、長さ約50mほどの上組トンネル。ふたつの集落をつなぐため、その両端から掘っていったという話を聞いた。 トンネルの上を木々が覆うその入口に立つと、山の生き物たちの声が一層大きく聞こえる。そっと中を覗いてみる

          トンネルの化物

          文フリ札幌 無事終了&通販開始&余談

          文学フリマ札幌、無事終了 除霊でもされたみたいに肩首の痛みが消えていきました。いや、本当になんか憑いていたかも。文学フリマを無事終えて、愛車の黄色いエッセに乗ろうと屈んだ時、首のズキズキする痛みがだいぶ消えていて驚きました。良かった良かった。 よく考えてみたら本を作って終わりではなく、売るところまでが文学フリマだということを開場のアナウンスまですっかり忘れていました。「え、接客?無理無理」と言っている間もなく、開始10分。やってきたお客さんに初めて自分の本を買ってもらえて

          文フリ札幌 無事終了&通販開始&余談

          【本日】文学フリマ札幌に出展します

          文学フリマ札幌に出展します。 当日のご報告になってしまいごめんなさい。 ここ1ヶ月、睡眠と健康を欠乏させながら制作したZINEがようやく完成しました。疲労は首にやってきて、いま僕は0.8倍速の生活を送っています。 基本的にはこの1年、noteに書いてきた「移住雑記」に加筆修正を加えただけで、ほとんどブログのまとめのようなものになっています。これに向けて新たに書き下ろしたものは2本だけです。 北海道に来て1年、来月30歳を迎える自分にとって、本をつくるというのがひとつの区

          【本日】文学フリマ札幌に出展します

          星が見えた日

          その夜も沢山の星が見えたらしい。海の上の月が眩しくて、そんな風に語った人のことを思い出していた。 僕はその日のことを知らないけれど、ずっとその前から続く生活と町の記憶に囲まれて、いまここにいる。 ごみ捨てに出た深夜の川沿いで、信号が点滅していた。いつもは暗く感じるこの町の夜を、今日は明るいと思った。僕が知らないあの日の夜を思い浮かべていた。 きっと言葉じゃ到底足りないけれど、僕の知らない記憶を語る人の声や呼吸に耳を傾ける。この先も僕がわかる日は来ないから、せめてこの町の

          星が見えた日

          【移住雑記338日目】とんぼ捜索隊

          先日、夏休みを迎えた子供たちの虫捕りイベントに参加した。午前中から重たい雲に覆われており、準備のためキャンプ場に先回りをして着いたスタッフの大人たちを迎えたのは、圧倒的な雨。こういう時、実は生粋の雨男であることを悟られないよう僕は基本的に黙るようにしている。 予定を変更して昼食を先に取り、午後から虫捕りを行うことにした。天気は回復、それどころか先ほどの豪雨の記憶を一瞬で塗り替えるような快晴に。それぞれの虫かごや虫捕り網を大切そうに構えていた、少年たちが雨上がりのまだ湿った光

          【移住雑記338日目】とんぼ捜索隊

          【移住雑記329日目】晴れに向かう迷子たち

          「右ですか?左ですか?」 「ここは、左!わかんないけど」 雨のキャンプ場から一旦引き返す車の中、僕は目的地までの道のりを知らず。同乗者の一言に合わせてウィンカーを出してゆっくり左折する。バックミラーで遠ざかっていく、選ばれなかった景色の先は雨でよく見えなかった。他のスタッフが運転する後続の車も、僕たちに付いて左折した。天井を打ち付ける雨音が少しだけ弱くなった気がした。 しばらく道を進むものの、見覚えのある風景はなかなか現れない。晴れ間に差し掛かりワイパーの速度を一段階下

          【移住雑記329日目】晴れに向かう迷子たち

          タピオカ記念日

          七夕ですね、こんばんは。 北海道の七夕は8月、なんて嘘みたいな話聞いたんですけど本当ですか。 1年前の今日、正式にいまの仕事が決まったのを覚えていて、あの日あの場所から季節が1回転したことに妙な気持ちでいます。渋谷でカネコアヤノのライブがあった日で、開場時間になるまでゴンチャで黒糖タピオカミルクティーを飲んでいた時に電話を頂きました。 「この町においで」と君が言ったから 7月7日はタピオカ記念日 進めば進むほど、健やかなる時も病める時もいつも感じるのは、自分の実力不

          タピオカ記念日

          【移住雑記307日目】あつ森、ビー玉、ハスカップ

          先日メールフォルダを整理しているとき、1件のメールが目に留まった。ちょうど1年前、地域おこし協力隊の仕事の求人にエントリーする内容のものだった。 昨年の今ごろは仕事を辞めて、ぼんやりと自分の生き方を考えていた。時々人に誘われてご飯に行く以外は家の中で本を読み、夜になれば友人と朝が来るまで電話をしていた。あの時の自分が今となっては、少しだけ別の人の時間だったように感じることもある。1年はあっという間、というのはそういう過去や未来の自分自身との距離感のことを言っているのかもしれ

          【移住雑記307日目】あつ森、ビー玉、ハスカップ

          【移住雑記297日目】大きく息を吸い込んで

          すっかり五月のアレからは復活しましたおかげさまです。 襟裳岬の記事をあげてから、いろんな方にご飯や飲みに誘っていただけて、すごく嬉しかったです。 「もう1襟裳行っとく?」 そんな風に笑ってくれる人が近くにいるというのはとても有難いもので、例えばそんな人の些細な一言のおかげで最近変わったことと言えば、気張らずにお酒を飲めるようになったことでしょうか。 それにしてもまあ、日々はうまくいかないこともそれなりに多く、相変わらずハッピーとアングリーを忙しなく往復し続ける点Pこと

          【移住雑記297日目】大きく息を吸い込んで