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今のままでも点が伸ばせる?計算科目の戦術的解き方

こんにちは、山藤あるとです。

重ね塗り、型を身につける、ロードレースといろいろな例えをしてきましたが、基本的に受験勉強における戦略レベルの話だと考えています。

今回は、計算科目の戦術レベルの話をしたいと思います。

・総合問題を頭から解くばかりの人
・個別論点は理解しているが総合問題でうまく点が取れない人
など、多くの受験生に最後まで読んでいただけると嬉しいです。

戦略と戦術の違い

受験勉強での戦略レベル

戦略レベルについての私の理解を戦国シミュレーションゲーム風に説明すると、いかに相手との戦いに勝てるだけの戦力を十分に戦える状態で戦いの場に揃えるか、です。

受験勉強での内容をかっこ書きに添えると、
・宣戦布告し(受験願書を提出し)、
・兵士を募集して訓練し(多くの論点を勉強して理解し)、
・集めた兵士の装備を整え(必要な内容を記憶し)、
・兵士に十分な食糧を用意し(覚えた内容を忘れないようにメンテナンスし)、
・戦いに勝てるだけの数を揃え(合格できるだけの総合的な学力を身につけ)、
・用意した戦力を発揮できる状態で戦いの場に連れて行く(万全の体調で受験する)
ことです。

受験勉強での戦術レベル

戦術レベルについての私の理解を戦国シミュレーションゲーム風に説明すると、実際に戦いの場に揃えた戦力でどのように戦って相手に勝つか、です。

受験勉強での内容をかっこ書きに添えると、
・こちらの戦力は活かし(できるところは確実に得点し)、
・相手の戦力は削ぎ(できない問題には深入りせず)、
・効率的かつ効果的に戦いに勝つ(制限時間内に合格レベルの答案を作成する)
ことです。

両方の視点が必要

極端な話、圧倒的な戦力差があれば多少戦い方がまずくても勝てる可能性が高いでしょう。

ただ、受験生に一番足りない資源は時間です。

戦略レベルの努力だけで合格できるほどの圧倒的な学力を身につけるには時間が足りません。

必然的に、受験時の戦力でいかに効率的・効果的に成果を上げるか、という戦術レベルの戦い方も考える必要が出てきます。

戦術レベルの努力と掛け合わさることで合格が現実的になってきます。

計算問題をどのように解くか

実力を発揮する訓練

本試験で出る計算問題は、難易度もさることながらボリュームもあります。

合格するような人でも頭から順番に解いていては時間内にはまず終わらない質と量です。

そんな状況の中、できる限りの点数を取るためには、「正解できるところを確実に得点する」必要があります。

逆の言い方をすれば、「正解できないところに手を出さない」必要があるともいえるでしょう。

すなわち、受験勉強によって培った学力を点数に変換する技術が受験における戦術レベルの話です。

問題を最初から順番に解くだけでは、取りこぼす点が出てきてしまうため、戦術レベルでどのように解いていくかという訓練が必要です。

戦術レベルの訓練方法

どこから手をつければいいのか、といった判断は、漠然と問題を解いていてもなかなか身につかないものです。

どうやって身につけるか。
それはもちろん、本番を想定した答練の場です。(あるいは、その復習で答練を解き直す時です)

訓練方法はシンプルです。
総合問題を解く際には、必ず最初に全体に目を通して解く順番を考えるようにするだけです。

まずは、すぐに解答を書けそうなところがないか探してそこから解いてみましょう。

時間が足りないならとにかく早く解き始めたほうが良いのでは?と思うかもしれませんが、適当に手を出して正解できそうにないところにハマってしまってはやはり時間をロスします。

それほど多くの時間を使う必要はなく、大雑把でいいので問題を解く順番、すなわち戦術プランを決めてから解き始めましょう。

ある程度慣れてくると、ここの論点の答えを出すには先にこっちの論点の答えを出す必要があるな、とか、ここは最初から解かない方がいいな、とかいったことがなんとなく分かるようになります。

カンが働くようになるという言い方もできますが、どちらかというと、経験に基づく洞察力が働くものだと思っています。

つまり、訓練によって精度を上げていけるものです。

解き始める前に全体に目を通すクセをつけることで、しっかり訓練していきましょう。

個別問題も並行して補いながら

総合問題でなければ戦術レベルの訓練はできないとはいえ、そもそも戦力不足という場合は個別問題での復習が必要なときもあります。

受験の場合、戦略レベルでの失敗(理解不足や記憶不足)を戦術レベルで取り返すことはまず無理だからです。

基本的には、ある程度学習が進んでくると総合問題で個別論点の復習にもなるようになっていきますが、それでも足りないと感じたときは個別問題にも戻って戦力を補うようにしましょう。

繰り返しますが、受験生に一番足りない資源は時間である以上、個別問題をきっちりやってからでは総合問題のスタートが遅れますし、個別に解けない論点ばかりの総合問題をいくらやっても戦術以前の話で戦術レベルの訓練になりません。

効果測定もしながら

私がやっていたやり方

戦術レベルの訓練は最初は手探りになりがちです。

それだけに、効果測定もしっかりやっていきたいところです。

私のやり方を紹介します。
(答練を復習で解き直す際を想定しています)

普通に答練を解き直しますが、制限時間を過ぎてもそのまま解き続けます。

その上で、解答を書く際には解答を書いた時間帯によって文字の色を変えます。

具体的には、制限時間内に書いた答えは黒、制限時間を過ぎて書いた答えは青、などです。

こうすることによって、問題を解き終わった後、最初の戦術プランの検証がやりやすくなります。

評価の仕方

まず、黒で書いた答えに間違いが多く、青で書いた答えに正解が多いようであれば、解く順番が適切ではなかったということです。

この場合、間違えたところに先に手を出してしまった結果、正解できるところを制限時間内に解けなかったということになります。

つまり、解く順番を変えるだけで点数を伸ばすことができます。

戦術レベルの訓練の余地ありです。

もっとも、間違えたところがいわゆるAランク部分であれば理解不足の可能性もあります。

それから、黒で書いた答えはそこそこ正解しているし、青で書いた答えもそこそこ正解しているようであれば、基本的には速さ不足が課題となるでしょう。

ただし、戦術プランの検証としては、解く順番を工夫することで黒で答えを書く部分を増やせなかったか、は考える必要があります。

青で書いた部分が正解していないのは、正解できない部分には時間内に手を出していないということですので、戦術プランの検証としては良い評価ということになります。

ただ、青で書いた部分がAランク部分であれば、やはり理解不足が課題になりますし、黒で書ける部分を増やせないかという点では速さ不足も課題でしょう。

ほとんどの答えを黒で書けた場合には、単純に正解できなかった部分の理解不足が課題となります。

この場合でも、正解できなかった部分を解いたのが終了間際で焦って間違えた、といった理由であれば、正解できた部分の速さ不足も課題としたいです。

課題の優先順位も分かる

答練などで問題を提出する際には色を変えたりしにくいかもしれませんが、自分には分かる方法で区別しても良いでしょう。

前半に書いたら右寄せと後半に書いたら左寄せなど、時間内に書いた分でも差をつけてもよいかもしれません。

可能であれば、答練後そのまま解き続けてみて解いたところが正解できたかを確かめてもよいです。

もちろん、答練後に解いて正解できるようであれば戦術レベルの改善の余地ありです。

すでにお分かりの通り、戦術プランの検証をしやすくするために色分け等をするのですが、復習する際の優先順位を決めるのにも役立ちます。

答練では間違ったところにばかり目が行きがちです。

速さの課題を見つけるためにはむしろ正解したところに目を向ける必要があります。

そして、戦術レベルの訓練としては、解く順番を変えることで点を伸ばせなかったか、を考えていくクセをつけましょう。

まとめ

・十分な学力を揃えるのが戦略、揃えた学力を発揮するのが戦術
 時間が足りない中で戦略だけで突破するのは現実的ではない。

・答練を使って戦術レベルの訓練をしよう
 解答した時間帯によって色分けするなどして、効果測定をしながら課題を見つける。

・戦術レベルの意識を忘れない
 解く順番を変えたら点が伸ばせたのでは、と考えて取り組むのが大事。

今回の話は主に計算科目を念頭に置いたはなしでした。

理論科目でも同様のことはできなくはないですが、計算科目ほど採点が客観的に出来ないところが難点です。

それでも、書けそうなところに時間内に手を出さなかったくらいは分かりますので、試してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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