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ベイスターズ観戦体験を経てJリーグに還元できる点

先日、初めて横浜DeNAベイスターズの試合を見に行く機会があった。試合は劇的な展開でベイスターズが勝利しとても楽しい時間となったが、その中でJリーグではあまり見られない魅力を見つけたのでいくつか紹介したい。

試合概要

観戦したのは、4/27(木)DeNAvsヤクルトの一戦。前半戦はヤクルトが5回までに2本のHRを打つなど一方的な試合展開となっていたが、6回裏に牧の3ランHRでDeNAが逆転すると、その後同点に追いつかれては突き放すという接戦を繰り広げ、6-6で9回を終える。そして迎えた延長10回裏、大田と桑原が出塁すると、関根がライト方向に勝敗を決定づけるタイムリーツーベースを放ち、見事にサヨナラ勝ちを飾った。

1.超好立地

まず一番最初に"ありがたい"と感じた点は、アクセスの良さである。ベイスターズの本拠地である横浜スタジアム(以下ハマスタ)は関内駅から徒歩5分足らずと素晴らしいアクセスの良さを誇り、スタジアムを一歩出れば駅に停車するために加減速する列車が見られる。その関内駅も横浜駅からわずか2駅で、神奈川県内の人口密集地のほとんどから1時間以内で到着することができる。

ハマスタはプロ野球の中でも立地の良い方に入るが、Jリーグのスタジアムでこれに匹敵すると言えるのは、せいぜい国立や日産、ヨドコウくらいで、その他の多くは駅から20分程度かかるか駅自体が街から少し離れている。

Jリーグは地方を本拠地とするクラブが多く、1つのクラブにお金が集まりにくいことが問題をより難しくしているが、にしてももう少し改善していかなければならないだろう。それこそヨドコウ桜スタジアムのように、多少都会から離れていても駅の目の前にスタジアムがあるような町がもっと増えれば、よりサッカー観戦へのハードルを下げられるだろう。

2.スタジアム内グルメの充実

平均的な試合時間が3時間を超える野球において、簡単に食べ物が調達できることはとても重要である。実際、おそらく19時は回っていた4回あたりに夕食代わりのご飯を買いに行ったが、自席から1分も歩かない範囲でちょっとしたつまみからご飯ものまでそれなりに選択肢があったため、時間をかけずに食事にありつけた。

近年の傾向として、スタジアムの周囲にキッチンカーを用意するクラブが増えているが、1度スタジアムに入ったらわざわざ外に出ることをめんどくさがる人も多くいるため、1度通り過ぎた時点でそれらの店を利用する可能性は下がってしまう。慣れている客は事前に調達するが、家族やグループでの観戦の際に、荷物を置くためにまず席に向かう人は少し手間がかかってしまう。

J1クラスであればスタジアム内にいくつも店舗を用意しているクラブもあるが、とても並ぶ気に慣れないほどの行列を作っている店舗も多く、購入をあきらめる場面が少なくないことから、スタジアム内の飲食店の充実は必要だと感じる。

3.どこでも試合が見られる

前項に引き続いてスタジアム内の設備に関する内容になるが、ハマスタの快適性を高めていた要素の一つが、コンコースに設置されているディスプレイである。これが試合の様子をリアルタイムに放映することで、試合中に席を立ち易くなった。

サッカー観戦においては、特に小さな子供のいる家族連れが重視するポイントなのではないだろうか。5歳くらいまでの子供なら、試合に飽きたりトイレで席を離れることが予想される。そのような子供を連れた親でも、試合の映像を常に確認できる状態が保たれる。

また、これによって少しでも観客が席を立つタイミングを分散できれば、HTのトイレ行列も緩和できる可能性がある。

4.圧倒的臨場感

野球場の長所として、スタジアムがコンパクトであることが挙げられる。これは試合が見やすいだけでなく、応援がより近くに感じられることから、自然と周りに合わせて手拍子をしたりというのがやりやすい。このような体験が自然とチームに対する愛着を持たせ、次の来場に繋がっているのではないだろうか。

たまたま試合の展開が良かったというのはあるが、ヤクルト戦のチャンスシーンはどれもスタジアム全体が一体となっており、特に牧の3ランHRや関根のタイムリーの直前の盛り上がりには完全に引き込まれた。(最後は知らないおじさんとハイタッチしたし)

Jリーグでも、最近はいわゆる専スタが増えているが、これはとてもいい傾向だろう。
どうせなら国立競技場も専スタに…

5.分かりやすく盛り上がりたい

この体験をさらに盛り上げたのは、ド素人にも分かり易い演出の数々である。オーロラビジョンや外野を取り囲むように設置された長いディスプレイを用いて、チャンスや得点時にスタジアムを盛り上げていた。

最初は、やけにパチンコっぽい字体を使うなと感じたが、よく考えればそれもそのはずで、パチンコもスタジアムの演出も同じように素人でもわかりやすいという同じゴールを目指している。これは馬鹿にしてるわけではなく、よっぽど一見さんに理解されないイキり方をするJクラブよりもうまく観客を楽しませているはずだ。

ベイスターズではスタジアムの暗転演出も行っており、入場時に配布されたペンライト(なんと電池式)も使って楽しむことができた。

おわりに

初めてのベイスターズ観戦は予想以上に楽しいものになった。それを作る要素の中にはJクラブが手本にすべきポイントもあり、一人のサポーターとして考えさせられる様な場面もあった。実際にそれができるかどうかはまた別の話だが、良い点は残しつつもアップデートを重ね、ファミリーが増え続けることを願いたい。そして、普段そのために尽力しているクラブのスタッフに改めて感謝を示したい。

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