あれこれ話すゼミナール「生物と無生物のあいだ」
僕の勤務している大学では、2年生 前期から「ゼミナール」という科目があります。このゼミナールという科目では、学生さん自身が、学びたい先生にお伺いを立て、その先生の元で学ぶ機会を得ることができるというスタイルです。
今回、考えることが大好きな学生さんたちの多くが、履修申請を出してきてくれたので、何か面白いことをやれないかなと考えました。
そこで、かねてからその感想を共有したいと考えていた生命科学に関する本を読み、それを参加者で共有する「読書会」のようなものを企画しました。
ピックアップしたのは、福岡伸一先生の 生物と無生物のあいだ です。
言わずと知れたベストセラーの新書です。
なぜこれを選んだか? 理由は4つあります。
読書のきっかけづくり
小説のようで読みやすいので、読書をしないと言われる大学生が読むにはちょうどいい入門書かなと思っています。
科学のみずみずしさを知る機会づくり
学生さんは教科書に書かれている内容を、知られている事実として受け取るかと思いますが、実際にはその発見にも色んなドラマがあるわけで。そのような科学の人間臭い側面、瑞々しさを知ってもらういい機会になればよいなと考えています。
暗記科目ではない生命科学の捉え方を大事にしてほしい
生命科学を勉強している学生さんの話を聞くと、分野横断的に生命を捉える機会がない、あるいは、そのように考える学生さんが多いような気がしています。多くの場合、とにかく与えられた知識を飲み込んで、それをテストでそのまま吐き出すことが、良い成績を取る必要条件になっていることもしばしば。確かに型を身につけることは必要ですが、良い成績を身につけることが目的となってしまうと、多くのものが暗記だけになってしまい、面白さを感じる余裕がなくなってしまうからです。
ケミカルバイオロジーにつながる内容
僕自身は、一つの対象を別々の角度から眺め、分析・解釈するのが昔から好きです。それもあってケミカルバイオロジーという分野で研究しています。このケミカルバイオロジーという分野は、生命を化学的な視点からアプローチすることで、その謎に迫るという境界領域の学問です。ゼミナールの履修者から1人でも、ケミカルバイオロジーやりたい!という方が出てくれればうれしいなぁ・・・
以上のように、素晴らしいメンバーと過ごす、とっても素晴らしい機会が得られたので、 その内容をnoteに残しておくことにしました。
毎回議論が予想以上に盛り上がることが予想されるため、内容が不十分な点や書ききれなかった部分などが多々生じるかもしれませんが、あくまでメモとして残しています。
あまりタイムリーに更新ができるわけではありませんが、毎週更新することを目標にしていきたいと思います。
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