自治体PRアンケート中間報告

2021年10月13日 20:14

　さて、日本の地方自治体1,718か所のうち、全部過疎と指定されている自治体は650あります。

うち過疎市町村（過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法2条）は650市町村、過疎地域と見なされる市町村（同法3条・41条、いわゆる「みなし過疎」）は21市町村、過疎地域と見なされる区域を含む市町村（同法3条・42条、いわゆる「一部過疎」）は149市町村がある。

　残念ながら、私たち都市部で暮らす人間は、それらの殆どの地域と地縁を持ちませんし、行ったことはおろか、どんな場所かすらよくはわかってはいません。しかしこういう時代ですから、全ての自治体が公式Webを持ち、また動画チャンネルなどからPR動画を発信している例も多くあります。
　果たして自治体側は、どういう情報発信をしているのか、何が課題だと思っているのか、全数調査をしてみることにしました。650ある過疎自治体に対して、ネット経由で以下のアンケート調査を行ったわけです。

アンケート項目：

１．地域PRの方針、体制など（現状）
地域PRに関しては、どのようなことを行っていますか。
どういった方針や目標を持っていますでしょうか。
２．PR動画（動画コンテンツ）の方針など
PR活動において、動画コンテンツはどのような位置づけと考えてますか？
また、動画コンテンツに関しては、どのように製作されていますか。
３．今後の計画、課題
自治体PR活動を行う上での、課題や目標などありましたらお聞かせください。

　現在では、公式Webを持たない自治体は存在しません。そこから、広報関係、無ければ総務、観光など、自治体PRを担当していそうな部署に、直接連絡を取り、アンケートの依頼を送りました。10月13日の時点で、516自治体に対してアクセスしました。公式Webに、問合せ関係のページや連絡先の記載が無い自治体もいくつかあり、516のうち、34自治体は、電話かファクスしかアクセス手段がなく、まだアンケート調査は出来ていません。問合せ先が明記されている自治体のうち、問合せ専用ページが用意されている自治体が285ありました。アンケートは、原則問合せページから行い、無い場合メールで問合せしました。
　実は、北海道にはまだごく僅かしかアクセスしていません。北海道は、全道が過疎地と言っていいほど過疎自治体の数が多く、148か所が該当します。多分に偏見ではあるのですが、北海道という広域自治体のイメージが強く、個々の市町村に対して聞くべき内容はこれでいいのか、若干躊躇してしまったという事情もあります。

　問合せ先の自治体から、どの部署に問い合わせたいのかという確認と、質問内容が抽象的なので答えにくいというレスポンスをいくつか頂いています。しかしこと自治体PRに関しては、それぞれ総務部門や観光部門、広報広聴部門、地方創生関係部門など、地域によって全く異なっています。ですので、どこが答えてくださるか自体も重要な調査結果だと考えています。
またアンケートの内容としても、それぞれの自治体で力点や目的なども異なっているようですので、①現状、特に②動画コンテンツ、そして③課題と未来、の３つに大まかに分けて問合せした次第です。

　問合せに対して返って来た回答は、33道府県、76市町村、率にして約1割5分弱、まずまずの数だと思っております。何より、自治体のPRに対するスタンスに、相当の温度差があることがわかりました。ある自治体は、関係部署にインタビューをしていただいて取りまとめて答えてくださったり、関係する書類や広報資料を送ってくださったところもあります。

　個々の自治体には、統計処理をして具体的な地域名を出さないことを条件にしましたので、かなり自治体の本音が聞けたようにも思います。詳しい分析はこれから行いますが、まずはアンケートの回答に対して、KHコーダーを使ってテキスト分析を行ってみました。各設問の答えに対して、頻出語とその共起を、ネットワークで表現する機能ですが、以下、①、②、③とその分析結果を表したものです。

①地域PRの方針、体制など（現状）