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『歴史を面白く学ぶコテンラジオ』を聞いて

はじめに

 ちょっと前にダウンロードしたまま忘れていたPodcastを思い出したのは、今朝の日経土曜版に掲載されている、オーディオブックの記事を読んだのがきっかけでした。
 朝のジョギングがこれからだったので、試しに聞いてみようかなと再生してみたところ、すっごい面白かったのでその話をしようと思います。

『歴史を面白く学ぶコテンラジオ』を聞いて

 まず『歴史を面白く学ぶコテンラジオ』とは?
 公式HPより紹介文を引用します。

 株式会社COTEN(コテン)の広報活動として2018年11月に始まった歴史系Podcastです。 株式会社COTEN 代表の深井龍之介、メンバーの楊睿之と株式会社BOOK代表の樋口聖典の3名が日本と世界の歴史を面白く、かつディープに、そしてフラットな視点でお伝えします。

 このパーソナリティーの深井さんが初心者にもわかりやすく語ってくれるので、歴史弱者の私にも興味深く聞くことができました。
 今回聞いたのは、2021年9月2日放送のペスタロッチの半生についての回でした。ペスタロッチと聞いたときに、大学の教育史で学んだといううろ覚えの知識だったのですが、このラジオで認識を改めさせられました。

ヨハン・ハインリッヒ・ペスタロッチ(1746-1827)
 貧困救済のための教育に生涯をかけて取り組んだ偉人。
・スイス・チューリッヒ市街区で外科医の父の下に産まれる。父は5歳の時に亡くなったが、母とお手伝いのバーバラに愛情を注がれて育つ。
・貧困家庭の訪問に付き添っているうちに、農村の人々の生活を見たことが彼の教育における原体験となる。
・最高の教育を受けて牧師を目指していたが、大学時代にルソーの社会契約論に影響を受けて、当時の政治に疑問を抱くようになる。それにより政府から危険人物と見なされ、学校を退学させられる。
・妻となる女性は名家の出身で周りから結婚を反対されていた。
・その頃に生業として農場経営をしたものの、ペスタロッチ自身の経営能力のなさ・凶作・そもそも農地に向かない土地だったなどの理由から経営は破綻。ただ、このときに農村の子どもたちの実情を知ったことで、わずかな資産の中で貧困学校を開設するようになる。
・ただ貧しい子どもに施しを与えるのではなく、彼らが経済的に自立するための方法を教え、かつ家庭的な温かさを知ることができるようにすべきと説いた。
・賛同者はいるものの資金援助は望めず、閉校になってしまう。この辺りから精神的にも金銭的にも余裕がなくなっていく。その後貧困教育に再び着手できたのは、20年後の52歳になってからだった。
・わずかな農地からの自給自足生活の傍らで著書を出すようになり、この著作が評価されたことで有名になっていく。
・転機となったのは、ナポレオン軍の進行によって多くの戦争孤児が発生し、孤児院の院長となる。周りから大反対されるなかで実行。だが、戦況の変化やペスタロッチの反対派の存在などにより、孤児院は半年で閉じてしまう。
・教育実践を続けるため、私立学校の教師になり何年か経ってから学校を設立する。
・その学校で貧民の子どもの才能が開花したことにより、ヨーロッパ中で有名になる。だが、注目されたことで富裕層の子どもが集まるようになってしまった。当時、長年支えてくれた妻の死去、今まで賛同してくれた人々が離れていくなど苦難の連続だった。
・やはり貧民のための教育を実践すべきと学校を設立するも、数年で閉校しペスタロッチはその2年後に亡くなる。
・その後ペスタロッチの教育理念は後年の人々に影響を与え、フレーベルは世界初の幼稚園を設立し、ヘルバルトは教育学を科学として設立させるなど、現在までの教育・福祉に大きく貢献することになった。

感想

 以上、ラジオで聞いたことをざっくり書いてみました。書ききれなかった点もたくさんあるので、ぜひ聞いていただきたいと思います。
 こういう教科書ではほとんど語られない歴史って本当に面白いですね。三国志のゲームが大好きな友人がいるのですが、三国志をきっかけに中国史に精通するようになり、中国史に留まらず中国のあらゆるエンタメにめっちゃ詳しくなってました。好きから知識につなげられるのって憧れます。

 あと中でもすごい好きな言葉があります。
 教育者たちは不遇のまま亡くなったものの、その思想に影響を受けた人々が教育を変えていこうとするバトンを次々に渡して今に繋がったことで、「死ぬときに不幸だからといって、その人の人生が悪いわけではない。」と仰ったところです。
 もちろんペスタロッチのようにみんなが歴史に名を遺すわけではありません。ですがある人が名声もなく寂しく死んでいったとしても、その人を知っている人が、その人がいたからこそできた行動をし、未来を生きる人に何かしら影響を与えていくと考えると、なんだかたまらない気持ちになりました。

 俗な言い方をしますと、『ジョジョの奇妙な冒険』や『鬼滅の刃』のように、黄金の魂を持つ人々の意思が紡がれていくことで、叶えることができないと思われていたことが現実になり、今の世界に繋がっている、という感じでしょうか。「現実は小説よりも奇なり」とは言いますが、まさに現実は人の想像を超えていくんだと思いました。

 このバトンをつないでいく話をもっと聞きたいので、続きも聞いていこうと思います。いやはや、本も読みたいし、映画も行きたいし、やりたいことたくさんあって目が回りそう。

 それでは今日も明日も、みなさんにとって良い日でありますように。
 また明日。

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