マガジンのカバー画像

中国映画 ◆ 鑑賞記録 ◆

19
中国映画のレビューをまとめています。2018年以降に視聴した作品の中から思いつたものを書いています。最近観た映画が多めです。台湾、香港含みます。基本的にネタバレありです。(トップ… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

『無名』 劇場鑑賞記録 ③ 考察 【チェン 陳小姐】

今回は、少ない登場シーンの中で強い印象を残す陈小姐について触れたいと思います。(また無名か~と思われた方、すみません 汗) 主に最初は気に留めていなかった彼女の香港逃亡の経緯ですが、とある描写に気づいてからあれこれ考察するようになりました。 ただ、この謎については今のところ決め手がなく、全ては個人的な想像の域を出ないことをお断りしておきます。 映画鑑賞の楽しみのための、一つのトピックと捉えて頂ければ幸いです。 ネタバレに繋がる記述も含まれるので、これから鑑賞予定の方はご自身

『無名』 劇場鑑賞記録 ② 考察 【ジャン 江小姐】

2024年5月3日の初日以来、4劇場で4回鑑賞しました。この映画『無名』は一瞬一瞬に意味が込められていて、おそらく無駄な描写は一切ないのだろうと思います。観れば観るほど新しい発見があり、朧気だった絵からハッキリとした輪郭が現れる様が楽しくて、劇場通いをやめられません。そんな人が続出している模様です。 今回は、ずっと引っ掛かっていたジャン(江小姐)の件がようやく霧が晴れるように腑に落ちたので、それについて書こうと思います。 推し主演ドラマ『追风者』に続いて映画『無名』と、こ

『無名』 中国映画 劇場鑑賞記録 ①

遂に! 待ちに待った トニー・レオンと王一博の主演映画が 5月3日に初日を迎えました!! 只今GW中ですが、仕事の合間は映画館通いで忙しいです(笑) 時間がないので、今回は twitter に投稿した鑑賞後のホットな感想を転載することにしました。 本当に見応えある映画です。 ぜひ劇場に足をお運びください!! ※ 現地中国の配信で視聴した感想はこちらです ①②はネタバレ配慮 ③はネタバレあり 2024年5月3日 映画館鑑賞1回目  ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター

『満江紅』 中国映画 鑑賞記録

東京国際映画祭で鑑賞してきました(2023年10月31日) 2023年春節の目玉作品。興収は 45億元(灯塔专业版 11/13)現時点で今年の No.1の数字をあげています。 ポスターの絵面は荒っぽそうだったのでお正月にはどうなの?と思っていましたが、観ればなるほどと納得。春節映画にふさわしい痛快な仕上がりになっていました。 日本での公開情報は今のところ見当たりませんが、映画祭には監督も来日され特別功労賞を受賞しているし、来年には劇場上映されることを期待しています。 豪華

『ゴールド・ボーイ』 ワールドプレミア & 舞台挨拶 鑑賞記録

2023年10月29日、東京国際映画祭ガラ・セレクション部門のワールド・プレミア上映で鑑賞しました。公開は2024年春の予定です。 原作小説は未読ですが、ドラマとなった『隠秘的角落』(バッド・キッズ)は過去鑑賞作品の中でも指折りのお気に入り。(iQIYI の『迷霧劇場』シリーズは好みのドラマが多い) 制作発表時からずっと注目していた映画なので、映画祭で一足先に鑑賞できてラッキーでした。監督始め制作、企画の方や子役3人の舞台挨拶もあって背景もお聞きすることができ、作品の知識が

中国映画 鑑賞記録 2023

生来怠け者なこともありますが、年末は何かと忙しいので年間のまとめ的作業は時間に余裕のある秋にやることにしています。 昨年の『中国映画 視聴記録 2022』も10月13日付。もう1年経ったのですねー! 早い!! という訳で今年も、昨年末から現在までに鑑賞した映画をリストアップします。 まとめてみたら意外に少なくて自分でもびっくり(笑) 昨年 2022の記事はこちら。 ※ 上から鑑賞日が新しい順、前後してるものもあり ※ 原題(邦題) ※ 中国語の作品という意味での中国ドラ

『消失的她』 中国映画 鑑賞記録

この夏中国で35億元の興行収入を達成した 2023年夏 No.2の大ヒット作。『ロスト・イン・ザ・スターズ』の邦題で中国映画週間にてジャパンプレミアですが、netflixでは一足早く配信が始まりました(アナザー邦題は『妻消えて』)。 わたしは映画週間での上演日程が合わなかったのでチケット争奪戦には参戦せず、ネトフリで鑑賞しました。 評判通り、大変に面白かったです! 今回はこちらの作品について書こうと思いますが本作、何を書いてもネタバレになりそうで(汗) 余計な情報は入れずま

『僕と幽霊が家族になった件』 中国映画 鑑賞記録

Netflixに入ったという情報を目にして予備知識なく観たのですが、本日現在まだ公開中。ありがたいのと同時に何となく申し訳ないような気持ちが混ざりながら、今これを書こうとしたら来年のアカデミー賞国際長編映画賞部門の台湾代表に選ばれたというハッピーニュース。おめでとうございます! 今回はいろいろ旬な本作について感想を綴りたいと思います。 一応再度記載しておきますが、わたしのnoteは中国語の作品という意味で中国映画と括らせていただいてます。その他の深い意味はありません。 冥

『こんにちは、私のお母さん』 中国映画 鑑賞記録

2021年の春節に中国で公開され大ヒットした作品。トータル54億元(約1,000億円)の興行成績を上げており日本でも公開済みの話題作なので、ご存知の方や鑑賞なさった方も多いかと思います。 NHKラジオ中国語講座の教材にもなっていて、随分前から視聴リストにあったのをようやく鑑賞しました(WOWOW録画) 何とな~くの筋は知っていたのですが、予想とは随分違いました。 正直もっと泣かされる感動作かと思っていたのですが、結構なコメディ。なるほど春節向き! では始めたいと思います。

『ボーン・トゥ・フライ』 中国映画 鑑賞記録

中国国産最新鋭ステルス戦闘機のテストパイロットのお話。 我が推し 王一博、初めての単独主演映画であります。 空軍や航空工業各社、飛行試験研究所等の協力の元、本格的な戦闘機開発の裏側や過酷なテストパイロットの日常を通して、彼らが戦闘機と自らの限界に挑戦する過程で成長していく姿が描かれます。 現地劇場前に公開された数々の予告やBTS以上の内容はバラさないように留意しましたが、未視聴の方はご注意下さい! 撮影地、訓練 何よりもまず自然、乾燥した砂漠地帯のような黄色い大地が印

『この夏の先には』 中国映画 鑑賞記録

以前から視聴リストに入れていた 吴磊& 张子枫 共演作。 最近エグい血みどろ系ドラマを連続視聴していたので、気分転換に清々しい青春ものを欲しておりチョイス。もうウーレイくんかわいいし、张子枫 上手いし! 予想通りの視聴後感を得られて大満足です。 では早速~。 サラっとあらすじ 张子枫 演じる 陈辰(チェン・チェン)と 吴磊演じる 郑宇星(ジョン・ユーシン)は高考(中国の全国統一大学入試)を控える高校生。二人とも留年してしまい同じクラスに。成績優秀だった 陈辰(チェ

『無名』③ 中国映画 鑑賞記録

中国映画『無名』レビューのパート3(一応ラスト)です。今回はランダムに散りばめられた本編のシーンを、起こった順番通り時系列に並べ直してみたいと思います。整理されたストーリーを知りたい方のご参考になったらいいなと思いつつ…(解釈は間違っているところもあるかもしれません) 全体的にネタバレになりますが、具体的な描写は明かしません。 おそらく長くなってしまいますが、よろしければお付き合いくださいねー! ※ 日本公開に先立ち名称その他の日本語を追記しました(2024/2/14)

『無名』② 中国映画 鑑賞記録

中国映画『無名』の感想パート2です。 概要はパート1で説明してあるので、早速本題に入りたいと思います。 今回は、ネタバレなしのあっさり目感想+メタファー集、の予定。 未視聴の方も多分、お読みいただいて問題ないかと思いますが、気になる方は視聴後にまた来ていただければ嬉しいです! ※ 日本公開に先立ち名称その他の日本語を追記しました(2024/2/14) 1はこちらからご覧ください。 パート1でも書いたように本作はパズルのピースをランダムに投下するような形式で描かれている。

『無名』① 中国映画 鑑賞記録

2021年秋、少し遅れて撮影チーム入りした王一博。その時から逐一ウォッチしつつ待ち焦がれていたこの映画は、今年 2023年春節の目玉作品として中国で公開され、4月8日より各プラットフォームで配信が開始されました。 推しの王一博が全身全霊を傾けて演じた作品であり、本人にとって思い入れ深いであろう本作は、わたしにとっても大切な映画です。 ですからこのレビューも、ページの最下部で短く書き上げられている図を想像できず…(笑) そんな訳で、この作品『无名』は3つのパートに分けること