初めての感情だった。優しさに涙が出そうになることがあるんだと知った。

学校から何人かの人が選ばれて留学することになった。けど、知っている人はいない。同じチームは私とは全く違う学部で違うタイプの人ばかり。仲良くなりたくてもどうしたらいいかわからなかった。私は現地で友人を作ろうと決めた。

初日はとにかくいろんな人に話しかけて仲良くなった。外国人の友人がたくさんできた。でも、気を張っていたせいか疲れていた。

そんな時、自分と同じ学校の人たちを見てみると、他の学校の人たちとも楽しそうにしているのが見えた。それで良いと思った。私は私で頑張れば良いと。

次の日、エレベーターでたまたま乗り合わせた他の学校の女の子に言われた。とても目立つ服装をしていたのですぐにわかった。彼女は昨日私と同じ学校の人たちと一緒にいた人だ、と。そんな彼女が私に言った。「あなたと同じ学校の人であなたのこと、すごく心配している人がいたよ」

驚いた。そして胸が熱くなって涙が出そうになった。自分でもなぜ涙が出そうになっているのかわからなかった。

私はきっと同じ学校の人からは何とも思われていないんだろうな、と思い込んでいた。昨日はみんなでただただ楽しんでいたんだろうなと。でも違ったんだ。仲良くなるのを諦めていたのは私だったんだ。

しばらくして、私を心配してくれた人は誰なんだろうと気になった。でもすぐにわかった。事あるごとに話しかけてくれる人。彼は賢くて優しくて、みんなから愛されている人だった。

私は彼と出会って人生を変えるぐらい大切なことを学んだ。「気にかける」って、とてつもなく優しい行為であるということ。どんな人にでも気さくに接してみると、仲良くなれるということ。自分よりも他人を思って行動することの偉大さ。

私は彼に出会って自分が変わった。周囲の人たちとの関係も良好になった。人生が豊かになった。

ありがとう。

#やさしさを感じた言葉