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夢を引き継ぐもの

割引あり


ファウンデーションの夢
第八部 アルカディアの遺言


大枠

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言

第八部の大枠

58 第1話 究極のアウトソーシング 
59 第2話 鶸色の伝説
60 第3話 12858年前
61 第4話 全体主義の恐怖
62 第5話 宇宙最大の謎
63 第6話 ドース・涙の太陽
64 第7話 原子力、宇宙に対する大罪
65 第8話 甦りの銀河
66 第9話 ミーター・新シャーロック・ホームズ
67 第10話 甦りの水
68 第11話 夢を引き継ぐ者

あらすじ

 「ファウンデーションの夢」の最終部になります。次作「ミーターの大冒険」を橋渡しする部分になる。

 アルカディアは81歳で天寿を全うしようとしていた。暦はターミナス443年。

 アルカディア農園はほぼラヴェンダーの畑。第二期のポニェッツ仕様のラヴェンダーのエキスがもうひとつの主役。

 アルカディアは全身全霊をかけて14歳から共に歩んできたミーター(ミーター・マロウ アルカディアの命名でダレル家が名門マロウに繋がることを重んじたから。)に訥々と遺言を語る。

 ハリ・セルダンとガール・ドーニックによって導かれた銀河復興の希望をミーターに賭けるアルカディアの切実さと真摯さとが最後の息までもその輝きがラヴェンダー畑に染み渡る。

 彼女はまず、「反ミュール」の現象から話しはじめる。

 そしてアルカディアは銀河の歴史に何度も人類を脅かした政治体制の全体主義の恐怖に話しを移す。銀河の暗黒と混沌の原因もこの全体主義が元凶であり、銀河復興はこれからの解放をも意味していることをつまびらかにする。

 そしてついにアルカディアは地球の放射能汚染について語りはじめる。

第7話 原子力、宇宙に対する大罪

64

アルカディア ミーター、ねえ。これから、放射能についての話をしますよ。
 ここ50年で銀河はすっかり様変わりしてしまっているわ。私が銀河じゅう放浪していた時代とは全然違って来ているのねえ。人口減少どころか廃墟になってしまった星が数多くなってるんですから。
 それもこれもみんな電力を、原子力にたよってきたばかりにですよ。
 放射能漏れの事故が続出して、住民が住まいを追われたり、原子力発電所を維持するのに必要な技術者がいなくなったりして、原子力発電所が放置されて、そこから大量の放射能物質が外部に洩れだし、星全体の地表を汚し、海に流れこみ、生態系を破壊し、それによって生物全体の遺伝子を変異させて、新種のウイルスによってパンデミックを起こしてきたんだわ。
 人間の体に対しては、放射性物質は、9割くらいが放射性ヨウ素で、残りの1割くらいが放射性セシウム。放射性物質が環境中に出て、放射性ヨウ素が大地に降り注ぎます。放射性ヨウ素は、水に溶けやすい。土の中の水分などに入ると、そこから草が吸い込んで、食物連鎖で人間の食べ物になる段階では何百倍の放射能を帯びることになるのよ。
 そうして、人間の遺伝子の配列を壊して、甲状腺癌や白血病、などを惹き起こしてきたんだわ。とくに幼児には、急激な成長段階の遺伝子に変異をきたし、または奇形を生む、といった無残な現実が起きてしまったのよ。
 悲惨この上ない負の連鎖なのね!

ミーター アルカディー、もうそれ以上、聞きたくない!!

Photo :チェルノブイリの爆発後の姿

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