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ボイトレとイメージ

今月半ばあたりからボイストレーニングに通っている。カラオケが好きだったり、声を使うことが好きだったりしているが、イマイチ声の使い方がわからない。声の高い男性ボーカルやヨルシカとかの女性ボーカルも歌いたいという思いも強かったり、女性っぽい声色で鉄道モノマネしたいと思ったり。声だけでやりたいことを広げたいのが理由だ。

それで通い始めると、けっこう褒められることが多い。2回目までやってて、いいとこ選んだなぁと思うし、迷いなかった結果だと思う。

そんな2回目のレッスンで担当してくれた先生がこんなことを言っていた。

イメージを大事にするといいですよ。

声に関する専門的な言葉を知っていても結局、声を出すイメージが無かったら理屈ではどうにもならない。

僕が身につけたい「ミックスボイス」もいろんなイメージを投げかけてくれた。

  • 前に出すより後ろに引くイメージ

  • 「ハハっ!僕、ミッキーマウスだよ!」的な声

  • あくびのときの口

こう教えられると自分の中でのイメージがより具現化される。好きでやってる分、人より覚えも早いそう。感覚を大事にするこの先生は非常にわかりやすくて相性が良かった。

こうやって教わってると最近見たアニメを思い出す。同じようなことを言っているキャラクターがいる。

それが『葬送のフリーレン』に登場する「ユーベル」。一級魔法使い選抜試験を受けていた三級の女魔法使い。過去の試験では「大体なんでも切れる魔法」をきっかけに誰も壊せないような強力な防御を撃破。その際に防御越しの試験官を殺めてしまい、失格となった。ユーベル初登場場面では「殺し屋の目をしてる」と言われるほど。

そんなユーベルは「魔法=イメージ」としきりに主張する。共感することで相手の魔法をコピーする能力もある。ただ、魔法の原理は知らず、感覚で使うことがほとんど。「そういう頭の足りない子嫌いなんだよね」と吐き捨てられたり、「こいつはいかれている」と心底思われたり理解されにくい。

そう言われ続けても、できないと言われ続けたことを糸も簡単にできてしまう。戦った相手への共感から相手を拘束する魔法も習得している。ユーベルのその感じがこの日のレッスンとリンクする感じだった。

僕もイメージで生きている方だとは思う。だが、いいイメージでやっていることは少ない。ユーベルと同じく、感覚を肯定された経験は少ない。人に流され、誰にも歯向かわない。失敗したくないからいろいろ考えると、嫌な結果になる。理屈で言われたことは何も覚えていない。

その点、レッスンのように感覚で教わる方は僕に向いているのだと思う。自分の中でいいイメージが形成されているし、結果うまくいって、気づきが多い。無理矢理やらされてるわけではないし、プロになるつもりもないから非常に楽だ。なかなかこういう気持ちは初めてだ。

感覚で生きているとどこか「楽をしてる」と思われてしまうことがある。仕事場でもそう言われて怒られているし、勉強で強いることを両親から言われて、いやいや従ったのも、ともにそう思われていたからなのだろうか。そんなつもりは毛頭ないし、「なんでそんなこと言われなあかんねん!」と内心ブチ切れてた。
ていうか、楽してるより苦しんでるのなんで知られへんねん。

もっと自分の感覚に正直になってもいいと思えた。勢いだけで受けたことがこんないい思考をもたらしてくれるとは。次も楽しみだ。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。