「有言実行」という言葉をよく目にするし、美徳だとされている。「不言実行」がいいなんて話も聞くが、夢を語り合うこと、目標を話すことで現実になるということは多い。

しかし、僕には晴れない疑いがある。

言うだけ言って、実行できなかったらどうしたらいいのか。

「有言実行」だと言いながら、「有言不実行」だと批判されまくっていた政治家が頭をよぎる。

言い出しっぺなんだから、責任は背負わなくては。
裏切りたくない。
家族と衝突したくない。

言うだけ言っといて、無責任な事態になるのは恥だと僕は思っている。よくしてくれる人を裏切りたくないし、嫌われたくない。家族の場合は怒られた恐怖が残っている。完璧主義がこういうところに現れている。

ただ、何も言わないまんまだと、夢から遠ざかってるような気がする。高校時代にラジオ好きになったり、声を褒められてこんな目標を持った。

アナウンサーになりたい
ラジオDJかナレーターでもいいから声で表現したい

このうち、ラジオDJは大学で叶っているが、「地域の人のため」みたいなところが大きくて興味の示し方が分からなくなった。

いざ就活しようとして、当時バイト先だったJRの駅長や妹には、雑談の傍らでそんなことを話したが、親や大学の就職課には何も言わなかった。身近な人や卒業生にそういう人がいなかったことも相まって諦めた。やったことと言えば、とりあえず、２つの放送局に書類を送っただけ。いずれも「お祈り」を食らった。

テレビを見ていると「家族の猛反対」を食らいながらも、乗り越えて夢を叶えた。なんて話を聞く。しかし、自分にそういうことができたかと言えば、できなかったとは思う。note始めるまでは活字本は敬遠し、語彙力は乏しかった。ぶつかろうにも嫌で避けてきた。悲しい感情だけしか考えず取り残されてしまうから。

ここ数ヶ月は月初めにこんなことを上司から話しかけられる。

今月の目標は何する？

ありがたい反面、言うことが苦しいし、怖い。思い込みばかりが否定されてくると、「有言」自体がトラウマになってしまっている感覚。言ってはみるが、その場しのぎにしかならず、月末を迎えてしまう。

「有言実行」は効果ありそうなもんだが、「完璧主義」が邪魔をしてなかなか言えそうにない。ただただ、他人の顔色を窺うことでしか、コミュニケーションができない。「人のため」と「顔色気にしてるだけ」の境界線がイマイチわからない。考えてても、キツい言葉しか言われない。優しくなんてされない。こうやって思ってることが現実と化している。

良くも悪くも言って見るもんなのかもしれない。