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映画「イルカの日」のテーマ

先日動画投稿の準備をしている合間に、何気なくYoutubeで昔の映画音楽を聴いていますと、この曲のサントラ版がリストに上がっているのを発見して懐かしく思いました。
私が中高生だった頃、沖縄での映画上映は、本土からだいぶ遅れて公開が始まり、それでも公開が一番早いのは那覇市で、私の住む沖縄市には、更に遅れてやってくる状況でした。そのため映画のテーマ曲は、公開前にラジオの紹介で先に知るというケースが多くありました。この映画もそうでした。

この曲の美しさは、心の構えを無力にしてしまう…無防備にしてしまうようなまっすぐさで私の心に飛び込んできました。サントラ版では冒頭イルカの鳴き声が入りますが、それがまた泣き声のようで、胸が締め付けられるような思いで当時聴いたことを思い出します。
映画の方は後日観たのですが、曲のイメージが先行していた私にとって、期待していたものとは随分違うものでした。48年も前のことです。

そして何十年かぶりにこの曲を聴いて、すぐにイノセントという言葉が心をよぎりました。その言葉を調べてみますと次のようなものです。

イノセント:
無罪の、潔白な、(…を)犯していないで、汚れのない、純潔な、無邪気な、純真な、あどけない、お人よしの、単純な

weblio英和辞典・和英辞典

考えていたのと少し違うようです。私がこの曲から受けた印象は、この中で、主に"汚れのない、純真な"という二つの意味には近いものの、"あどけない・お人よしの・単純な・無邪気な…"、そのような意味ではありません。
この曲のもつ痛切さは、幼さから生まれたものではありませんし、むしろ通常の神経では耐え難い何かがあるように感じました。
作曲者はフランスのジョルジュ・ドルリューという方で、有名な方らしいのですが私は存じ上げず、ネットで調べてみると立派な風貌の方でした。

この曲を聴きながら私は、現代に生きる私たちには、この曲の純粋な在り方を受け止めるのが難しくなっているのではないか?
耐えられなくなっているのではないか?
なんとなく漠然とそう考え込んでしまいました。
しかしだからこそ、このような曲は演奏する意味があるように思えて、譜面を起こしてみることにしました。
この曲は難しいものではありません。現代の音楽の複雑な和音・コードとも無縁です。私はこの曲の編曲を考えながら、最小限の音で響きを添えることしかできない。余計な音はできるだけ削らねば…
そう思わざるをえませんでした。

Youtubeのサントラ盤Link

私の演奏動画(編曲したばかりで、こなれてはいませんが取り合えずUP)↓


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