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ひっかかりの探求をやめない│#自分らしさを見つける時間 Vol.3

「ひとりひとりが、自分らしい想いを持てて、いきいきとできる社会」をめざしている人が、いろんな人とお話をして、その人の軸を発見→表現していくインタビュー企画『自分らしさを見つける時間』第3回目です。

今回は、ほかのインタビュー記事を読んで、問い合わせを送ってきてくれた、大学時代からの友人「のづさん」にお話お伺いしました。

「彼らしさ」を探るために紆余曲折したインタビュー。なぜ、紆余曲折したのか、そこに「彼らしさ」がありました。

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-インタビュー記事を読んで、問い合わせをしてくれたのは、のづさんが初めてなんやけど、なんで問い合わせしてくれたん?

最近、仕事を始めとして、人生とか、生きることについて、自分が大事にしていることはなにか、っていうのを考える機会があったんやけど、あんまり数出せんくて。このインタビューを受けることは、自分が大切にしていることってなにか、考えるいい機会になるかなーと思って。

あと、自分の話を人がまとめたら、どうなるんか知りたいなって思った。ざっくり話して、ざっくり話した結果、人から自分ってどう見えるんか、自分が大事にしていることを見つけてもらえるってことに興味があったな。

-じゃあ、ざっくり聞いていくけど、最近なにしてるん?

えー。朝9時くらいに起きて、シャワー浴びて、歯磨きして、そっから仕事始めて、20時か21時に仕事が終わって、ごはん食べて、ゲームしたり漫画読んだり、仕事以外の会議をしたり、してる。

-仕事ってなにしてるん?

10代の若者が生きていく中で、希望を持てるような社会をつくる仕事をしてる。人とのつながりが得られる環境をつくったり、収入が得られるようなつながりをつくったりしてる。

-その仕事をしてる理由ってなんなん?

一言で表現するの、むずかしいねよなぁ。

いっちゃんの始まりは、自分自身が、今の社会をそんなに生きやすいと思ってなくて。まぁ、今もべつに生きやすいとは思ってないねんけど。

でも、いろんな人と関わる中で、生きててもいいなぁ、来週楽しみなことあるなぁ、しんどいこともあるけど、まぁいいやって思えるようになったから。

なんかそういう、否定せずに、かといって単純に受け入れるだけでもなく、関わってくれる人との出会いが、もっと誰にでもあったらいいなって、そしたらなんかもうちょい、みんな生きやすくなるんちゃうかなって、そういうところから始めてるかなぁ。

-確かに、一言で表すのはむずかしそうやね。

でもなんかやっぱさぁ、最初は自分がそやったからって理由やったけど、でも、いろんな人と関わっていくうちに、いろいろと考えることがあるわけよ。

-考えることって?

オレは、明日食う飯に困ってたわけじゃなくて、社会というものに漠然と絶望を感じててん。でも、いろんな若者と関わっていくうちに、明日食うもんないみたいな子もいるわけで。そんなんって、漠然とかじゃなく、明確に厳しいやろって思う。

食うもんがないとか、理不尽に殴られるとか、そういう状況をまずは避けないとなって最近は思う。まぁ、そこに関わるのって、かなり難しいんやけど。

-わたしがのづさんの職場のことを知る限りでは、そういう若者に出会い始めたのって、ほんとここ1~2年の話なんかなぁって思うんやけど、どう?

コロナもあるけど、コロナ以前からそういう状態ってあったと思う。コロナで、そういう状態にある若者がフューチャーされやすくなってるけど、かといって、明日食う飯はあるけど、しんどい状態にある若者がスルーされるのは違う。単純に、ここ1~2年であまり見えてなかった世界が見えるようになっただけかな。

-具体的にしろ、漠然とにしろ、しんどい状態にある若者は、人とのつながりを得ることによって、見えてくる将来があるんかな?

そうかも。明日食う飯がないとか、理不尽に殴られるとか、そういうことを避けていくことには時間がかかると思う。その時間を一緒に考える人とか、ちょっと忘れて話せる人とかとのつながりは大事かと思う。

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普段ののづさんの様子がわかる写真をくれと言ったら送られてきた写真。どういう写真か聞いたら、本人もどういう写真かわかっていないそう。

-なんでのづさんは、10代の若者の支援に共感してるんかな?

自分がそやったからかな。今もそうやけど。

-のづさんってさっきから、「今もそうやけど」ってフォローがよく入るよね。

そこに白黒つけなくてもいいって思ってるからかな。

1ヶ月後の予定が楽しみやなーってときもあれば、5年後も職があるんかなーって考えてはぁ…ってなるときもあるし、明日の朝起きるの嫌やなぁ…みたいに思うときもある。
流動的ながらも、この先をちょっと楽しみに思える瞬間があることが、希望が持てる社会かなと思う。

-今関わっている若者にもってほしい希望観っていうのも、今のづさんが持っている希望観と同じなんかな?

わからん!わからんけど、その人の希望の在り方は、その人が決められたらいいと思う。

少なくともオレ個人としては、この先にまったく楽しみがないっていうのはいややなーって思う。

その人が希望を持ちたいと思うなら、それは応援するなーって思うし、その人がまったく希望を持ちたくないっていうなら…それは、なんでーってなるけど。

-ほんと、のづさんの職場で働く人ってみんな、関わるひとりひとりの可能性を考えるよね。その人がなにを望んでいるかによって、関わり方も必ず変える。それって今の仕事を始める前から持ってた価値観なん?

思い出せん!けど、うちのことをいいなって思って、何かしらの参加方法を選んでる人ってみんな、ある程度うちの価値観に共感してたりとか、実践してたりする人なんかなって思う。

自分も、今の仕事を始めて、よりその価値観が濃くなったとは思うけど、今の仕事を始める前から、似た価値観は持ってたんちゃうかな。

けど、高校生のときとか、18歳のときとかは、今もそうやけど、もっと自己中やったと思う。

-自己中っていうのは?

人のことも、自分のことも、どうでもいいと思ってた。誰かのために何かをしたいとはあんまり思ってなかったような…。そんなに優しい人ではなかった気がする。

-その転機ってなんだろうね?なんで自己中やったと思う人が、人のために働くことを選んだんだろう?

高校のときに、教員免許をとろうと思って、心理系の専攻に進んだのは、転機だったかも。しんどいときに、しんどいって話せる相手になれたらいいなぁって思ってた。

大学1年のときとか、わりと攻撃的な人間やったと思うけど、それは人を試してたのかも。自分攻撃的やけど、受け入れてくれるん?みたいな。

でも、いろんな人との出会いがあって、そんな自分のことも受け入れてくれる人がいて、自分自身が社会への信頼を取り戻していったかな。

-それが、今のづさんのやってる仕事である、「人とのつながり」ってキーワードに戻ってくるんかな。

うーん。このインタビュー受けてて、思ったんやけど、最初に仕事とそれ以外とで切り離されたことに違和感があった。ゲームしたり、漫画読んだりっていう生活の一部に、仕事もあるって感覚やねんけど、オレは。

-あーそれは、言い訳をさせてもらうと、その人の大切にしているものってどこから出てくるかわからないから、最初はざっくりと質問するようにしてるんやけど、便宜上、仕事の話からいくかーって感じで…

最近考えてるんやけど、利便性のために言葉が生まれたと思うんやけど、言葉の便利さのせいで、必要なコミュニケーションが不足してるんじゃないかなって思うねよな。

例えば、「付き合う」って言葉があるけど、本来はなにかしらの好意を持ったふたりが、いろんなコミュニケーションを重ねていくことで、お互いが心地の良い関係性を築いていくことやと思うねんけど、他者に説明するときに便利やから、「付き合う」って言葉を使ったんやと思うねん。

けど、最近は「付き合う」って表現が先走って、どんな関係性がふたりにとって居心地がいいのかってコミュニケーションが不足して、関係のこじれが生まれたりするのかなぁとか考えてた。

ほかには、「普通」とか「適当」とか「ちゃんと」とか…。

-ほんとそういうとこ、のづさんって、自分がひっかかったことについて、納得するまで考えたり、調べたりする人よな。「人とのつながり」ってキーワードに、のづさんの「自分らしさ」を落とし込むと、のづさん自身の「らしさ」じゃなくて、仕事をしているのづさんを切り取った「らしさ」になる気がする。ライフのときののづさんも、ワークのときののづさんも、大事にしてるものってなんだろう?

確かに、仕事以外の時間でもずっと人とのつながりっていうのを考えてるわけじゃないなぁ。好きな漫画の話題で盛り上がるって感覚、あんまわからんし。嗜好に軸ってあんまり反映されへんのかな?

-そんなこともないと思うなー。仕事ってなるとかしこまっちゃうけど、もっと浅く広く自分らしさを考えたら、嗜好にだって自分らしさは関わると思うし…。

あ、なんか、どうでもよくなってきた。
決めんでいいんじゃないって思ってきた。
まるさにこだわってるわけじゃないし、たまにとがってるときもあるし、それでいっかって感じ。

-のづさんにとって、自分らしさとか、大切にしてるものって、決まっててもいいねんけど、決めんでもいっかって感じなんかな。変わっていくものだし、人それぞれだし、でも、どれもいいよねって感じ?

オレがいいって決めるわけではなくて、本人がいいならいいよねって感じ。

-自分がいいよねって思ってたらいい。けど、自分でもいいかどうか判断できないような状況は解決してあげたいって思っていて、それがのづさんが今やってることなんかな?

あと、いいって思えてない状態もいやかな。それに、誰かにとってのいいが、誰かにとってのわるいだったとき、お互いがいいになるようにしたい。

-なんか、のづさんってまとめればまとめるほど、その言葉の微妙なニュアンスの違いに反応するよね。

そうかも。

-そういう、自分が納得できないことに、納得できるまで考えたり、調べたりするのは、のづさんの仕事にも生活にも、のづさんの人生ぜんぶで大事にしていることなのかもね。

うーん。そうかも。
だって今も、考えてるもん。ほんまにそうなんかなーって。

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野津 岳史さんの「らしさ」
ひっかかりの探求をやめない

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インタビュアー
岡田 有加(Okada Yuka)
1994年生まれ。兵庫県出身、大阪府在住。
有名人に加わる人。本名を略してお粥と呼ばれます。

「ひとりひとりが、自分らしさを持てて、いきいきとできる社会」をめざして、「らしさ」を探るインタビュー企画を始める。
誰に話を聞きたいとか、誰に読んでもらいたいとか、まだ考えてないけど、とりあえず100人に話を聞いて、100本記事を書こうとしています。

\\ 自分らしさを見つけたい人、話したい人、言葉にしたい人、募集! //

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「自分が大切にしていること、なにか知りたい」
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あなたが大切にしていることを探って、言葉にします。
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