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強い決心

夕暮れが過ぎた頃、いつものように部屋で本を読んでいると、視界の隅を横切る小さな黒い影が。

ヤツだ。
2年以上も姿を現さなかったヤツが、ついに来た。
体長約5cmほどの黒いヤツ。G。

恨みはないが、ヤツの存在を黙って見過ごす事は出来ない。かといって、ヤツを始末する専用の薬剤が我が家には、無い。

急いでトイレに入り、カビを落とす薬剤の入ったスプレーボトルを取って来る。

ヤツが隠れているのは分かっている。
部屋の隅にある青いプラスチックの籠をどかす。
ヤツが出てきた。部屋の隅を素早く走り回る。
こちらも逃すまいと、素早くスプレーを吹き付ける。1発、2発、3発、、、。全部で15発も吹き付けただろうか。
やがて、白い泡まみれになったGは、その場にひっくり返り、6本の足を空にバタつかせる。もうどこにも逃がさない。

オレは、要らなくなったその辺のコピー用紙で彼を包み、それを力強くひねった。そしてビニールのゴミ袋に入れて、固く口を閉じた。そして、その袋を玄関扉の外に出した。(明日は燃やすゴミの日だ)

オレは部屋に戻って一息つき、そして #決心 した。
近いうちに #薬局 に行こうと。

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