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まっしーのChorus note 2 三善晃メモリアルコンサート~うたの森~

少し前のコンサートになりますが、「三善晃メモリアルコンサート うたの森」に出演しました(10/9ウエスタ川越大ホール)。

このコンサートは、生誕90年・没後10年を迎えた三善晃先生の合唱作品を集めたコンサートで、音楽之友社・カワイ出版・全音楽譜出版社の3社共同企画により実現されました。3社の共同企画は私の知る限り初めてではないかと思います。

チラシとパンフレット

出演団体は、女声・男声・混声・童声の合唱団が集まり、計7団体。曲目は、主催者側で調整されているのだと思いますが、旋律の美しい曲目が並びました。三善先生というと、とかく複雑な和声や重層的な音響の作品のイメージがあるかもしれませんが、旋律も実に見事で歌い甲斐のあるものが作品に多くあります(もちろんそれに付く和声も最高なのは、言うまでもありません!)。三善先生のこうした面も知ることができる絶好のコンサートだったと思います。

私は、女声コーラス渚で「四つの秋の歌」から2曲と曲集「うたの森」から「爪紅」を、合唱団WAKAGE NO ITARIで「遊星ひとつ」から2曲と「一人は賑やか」を指揮しました。響きの良いホールに助けられ、どちらも旋律を味わいながら演奏することができました。特にWAKAGEが演奏した「一人は賑やか」は、団員の感情移入(さみしいヤツがやや多かったのかもしれません)も相まって、熱の入った演奏になったかと思います。また松原混声合唱団では「ゆったて哀歌集」から3曲歌いましたが、「哀歌」なのに「愛」をたくさん感じられるこの作品が大好きで、歌詞と音楽をかみしめながら歌いました。

出演が重なったので他の合唱団の本番の演奏をあまり聴くことができなかったのですが、リハーサルではできる限り聴きました。春日部市立正善小学校ひろばの風合唱団の「わりばしいっぽん」の明るい響きや、レガーロ東京の「ふるさとの夜に寄す」(「三つの抒情」より)のつややかでしっとりとした表現が印象に残りました。アンサンブル・ヴォカル・アルカイク=東京の「生きる」は、お互いの生を確かめ合うかのようなアンサンブルが素晴らしく、合唱団ぬっくの「佐渡おけさ」は太鼓なども入って賑々しい雰囲気の中にも三善先生の音がくっきりと立ち現れた合唱を聴くことができ、編曲の素晴らしさも実感できました。

出演メンバー+公募参加のメンバーによる合同合唱は250人越えの太規模。「雪の窓辺で」(指揮:古橋富士雄先生)と「夕焼小焼」(指揮:清水敬一先生)。皆さんの歌声で心の底が震える体験を久方ぶりに味わいました。「雪の窓辺で」も「夕焼小焼」も、どちらも子どもが登場する曲ということもあってか、歌い出しで子どもの声が聴こえるだけでなんとも言えない温かさを感じました。子どもの声って本当にいいなあ。

何と、コンサートの模様がYoutubeで公開されています!百聞は一見にしかず。出演合唱団の素晴らしい演奏の数々をお楽しみください。

こうした大きな企画は、三善先生の存在の大きさがあってこそ実現したものと思いますが、出演者もお客様もスタッフも皆さんが三善先生のことを改めて大好きになったコンサートだったと思います。魅力が十分に伝わる素晴らしいコンサートでしたので、今後も3社で合唱を盛り上げる企画を是非立ててほしい、と勝手に妄想してしまいました。運営に当たられました3社の皆様に厚く御礼申し上げます。

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