松井佑介

データサイエンティスト。計算健康学を探求中。 アマチュアサイクリスト🚴‍♂️

松井佑介

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最近の記事

ノープランキャリア形成論

年末のこの時期、一年を振り返ることが多い。大学では年度単位で研究費が執行されるので、残り数ヶ月でどのような成果が出せるか悶々と悩む。それと同時に、この一年で何を達成できたかのか、そして次はどこに向かうのか人生戦略の見直しも行う。 僕は研究者としてのキャリアしか知らないので、その視点から考えることしかできないが、少しキャリア形成について思うところを書いてみたい。 世にはキャリア云々の啓蒙書やセミナーが溢れていて僕もSNS等で情報のシャワーには浴びている。キャリアの定義からゴ

    • リハビリ×オミクス

      オミクスとはラテン語で総体を意味するもので、gene+ome=genomeだったりprotein + ome = proteomeという言い方をする。 オミクス解析とは、数万以上の遺伝子情報を処理して、そこから病態特異的な分子メカニズムを推定したり、予測する技術のこと。 もともとがんを中心に発達してきて、最近だとアルツハイマーなどの神経疾患や糖尿病などといった生活習慣病にも応用が進んでいる。 ところでリハビリにはどう応用ができるか。一つは運動生理学を分子レベルにまで掘り

      • データ科学者がピペットを握る日は来るか

        未知との遭遇物事は見た目ほど簡単ではない。しかし自分とは全く無縁のものに触れる経験というのは、たまらなくエキサイティングだ。今日はナノポアシークエンサーと呼ばれる技術に実際に自らの手で触れて見た。 ナノポアシークエンサーヒトのゲノムも手のひらサイズのデバイスで測定できる技術がある。英オックスフォード・ナノポアテクノロジーズが開発・販売する、ナノポアシーケンサー。次世代の次世代シークエンサーと期待されているゲノムを始めとする分子を全部丸ごと読む機械だ。 ナノポアと自分なぜナ

        • 細胞フュージョン

          細胞が他の細胞を食べてアップグレード?細胞は他の細胞の能力を取り込める仕組みがある。能力Aを持った細胞が、他の能力Bを持った細胞を取り込めば、能力AとBを持つ技をもっているのかもしれない。そんな可能性もありだなと思わせるプレゼンを今日聞いた。 まず以下のリンク先の動画を見て欲しい[参照1]。マクロファージががん細胞を「食す」瞬間が捉えられている。本来、マクロファージは異物を食いちぎってメッチャグッチャにしてしまう暴れん坊将軍である。つまり食われた異物=細胞は跡形もなく食いち

        ノープランキャリア形成論

          筋シナジーその1

          疑問僕はこれまで、自分の体の動きがどのように制御されているのかをマジメに考えたことがなかった。自分が立っている時、歩いている時、座っている時に、体では何が起こっているのか意識したことがあるだろうか。 「立つ」ことすら複雑な動作?僕らの体を電子回路のようなシステムと考えてみよう。まずは、どんな部品があるのかというと、電気入力に相当する脳、信号を中継する脊髄、それと出力を行うための200の関節と600以上の筋が主にある。ひとえに「立つ」という動作であっても、これらの部品がフル稼

          筋シナジーその1