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トレーニングの原理・原則を知って効果をあげよう!

原則を知らずしてメニューは組めない。

回数や強度の設定の前に知らないといけない原理・原則。

同じことをやっていても、意味がわかれば効果が上がる、どういう感じでこの後トレーニングしていくかメニューを考えるきっかけになればと思います。

※文献や参考書籍によって多少の差異があります。

では早速。

簡単に言ったものを「まとめ」に記載したので、難しい方と思った方はまとめまで飛ばしてください!


1.特異性の原則

SAIDの原則とも言います。

*SAID(Specific Adaptation to Imposed Demands:生体に課せられた刺激に応じた適応をする)

どんなトレーニングをしたらどんな効果が得られるか考えなければなりません。

例えば、筋パワーを鍛えたい方に筋持久力のプログラムを提供しても思ったような効果は得られません。

競技に特化した専門的なトレーニングも「競技の特異的な動作」を向上させるトレーニングと言えます。

では、競技動作のみのトレーニングを行えばいいのかと言われるとそうでもなくて。

競技動作のみではいずれ停滞期(プラトー)に陥る可能性も高いと言えます。

基礎の身体的能力の向上も必須でしょう。基礎を疎かにすれば競技動作も満足にできないのではないかと感じてます。

また、特異性は競技のシーズンとも関係していると言われています。

どのタイミングで基礎から競技特異的なものに段階的に進行していくか

この辺りも競技の特異性を考えてプログラムしていく必要があります。


2.過負荷の原則

オーバーロードの原則とも言います。

トレーニングの強度として日常生活以上の負荷をかける必要があり、競技者にとってはさらに高い負荷が必要です。

エクササイズでの負荷の中には重量、回数、頻度、休息時間等色々ありますが、運動の複合化(単関節運動から多関節運動)も負荷の増加と言えるでしょう。

ただ、負荷の急な上げすぎや無理な負荷オーバートレーニングになりかねないので正しく適用していくことが大切です。


3.漸進性の原則

レベルアップを引き出し続けるには強度を段階的にあげていく必要があります。

ずっと同じ負荷では必ず停滞期(プラトー)が来ます。

過負荷と同じでただ負荷を上げていけばいいわけではなく、状況に基づいて組織的に、段階的に上げていくことが前提です。

目的に応じて、回数や重量、難易度、時間、スピード等々負荷の掛け方はいっぱいあります。


4.意識性の原則

トレーニングの意味や目的を理解した上で行うのと、何も考えずに行うのとでは得られる効果が大きく変わってきます。

どこを鍛えているのか(その部位や能力)、このトレーニングが何に役立つのかを最低限理解してからトレーニングを行うことが望ましいといえます。

実際、ここまで理解してもらうのはなかなか難しいと痛感していて、多対一のセッションでは一人一人が理解を得るまでに時間がかかってしましがちです。

筋の収縮感を得るだけでも人によっては前段階が必要かなとも思います。

自分の中ではかなり重要視して、キューイング考えてます。

5.全面性の原則

何かに偏らずバランス良く強化しなければいけません。

弱いところだけで良いわけでもなく、主働筋・拮抗筋のアンバランスによる傷害のリスクを減らすためにも重要だと考えています。

また、下半身だけ、上半身だけもいいとはいえないでしょう。

例えば対人でふらつく→体幹鍛えよう!では不十分です。

足が接地している以上下半身の筋力が必須なのはもちろんですが、肩甲帯の安定性や下半身の力を上半身に伝えるための連動性も鍛える必要があるでしょう。

一つの部位のみ酷使すればもちろん慢性的な傷害に繋がることも容易に想像できるはずですが、

この全面性の原則が全然浸透していないがために育成年代の怪我が多いのは大袈裟ではないはず…。


6.個別性の原則

トレーニングを実施する人の特徴を考慮してプログラムを作成しなくてはなりません。

その人自身の筋力や年齢、性差、スキル、体格、健康状態等々まさに十人十色でメニューは組まれます。

身長の伸び具合でも負荷の掛け方を気をつけないと怪我につながります。

性差ですが、男女で筋の横断面積あたりの筋出力には差はないそうです。ただホルモンや月経の時期等によっては筋緊張が上がってしまう等の変化はあるのでトレーニング組むときは考慮が必要と、この前講義に参加させていただいたときに仰っていました。


7.反復性の原則・可逆性の原則

トレーニングによって鍛えられた能力はトレーニングをやめてしまえば元に戻ることは言わずもがな理解できるかと思います。

当たり前ですが、継続して計画的に行うことが必要です。

さらに一度落ちた筋肉をもどすのに3倍以上かかるとされる研究結果も出ています。

継続は力なり とはまさにこのことですね。


まとめ

長々話しましたが、めちゃくちゃ簡単にまとめると、

1.トレーニングの刺激に応じて体は適応する

2.さらなる負荷が必要

3.強度は段階的に上げていく

4.目的を理解して、どこを使っているか考える

5.バランスよく全身的に取り組む

6.個人の特徴を考えてメニューを作る

7.継続して行う


以上が、トレーニングの原則になります。

文献によって多少異なりますし、原則なので原則から外れることももちろんありますが、基本はこんな感じです。

原則を再確認して最大限効果をあげていきたいですね。


参考文献・書籍

Thomas R.Baechleら,NSCA決定版 ストレングストレーニング&コンディショニング 第3版,2010

日本体育協会,公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト第6巻 予防とコンディショニング,

Andreas Vigelsø, Martin Gramら,Six weeks' aerobic retraining after two weeks' immobilization restores leg lean mass and aerobic capacity but does not fully rehabilitate leg strenght in young and older men,2015,Journal of Rehabilitation Medicine

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