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小学生息子と2人旅 〜在来線で新潟へ〜

小学生息子は電車好き。春休み、人生初の青春18きっぷでいざ新潟へ!目的地は新潟駅。


「小田原駅から湘南新宿ラインに乗って行きたい」と息子。息子にとって旅のスタート地点はどこかの駅。自宅でも最寄駅でもないようで、よく駅を指定する。
湘南新宿ラインにも種類があり、小田原駅は湘南新宿ラインで一番南の駅。つまり、目的地新潟から一番遠い駅。さすが電車好き、想定外のルートしか言わない。
小田原駅は断り、湘南新宿ラインの最寄駅まで最短ルートで行く。

「しょうなんしんじゅくらいんのぐりーんしゃのにかいだてしゃりょうのしたのせきにすわりたいできるできないよねできたらおねがいします」

なんの呪文?

「湘南新宿ラインのグリーン車の2階建て車両の下(1階)の席に座りたい、できる?できないよね…できたらおねがいします」

呪文ではなく課金依頼だった。

瞬時に「青春18きっぷで安くしようとしているのに追加料金を払うなんて」と思ったが、すでに疲れていたので(早い)休める時に休もうとグリーン車を利用することにした。

初めてで何をどうするのかさっぱりわからないわたしに、駅のホームにあるグリーン券専用券売機に誘導し、着いたらサッと自分の交通系ICカードで購入する息子。初めてでいらっしゃいますよね?スマートすぎやしませんか?
(注意:グリーン券にこども料金はないので、小児用ICカードで購入してもおとな料金になります)

わたしも同じように買おうとするがうまくいかない。この券売機はICカード専用のためモバイルSuicaは非対応だった。がちょーん(古い)。

みどりの窓口まで走るか?
いや、”モバイル”という名前がついてみどりの窓口まで走ったらモバイルやない

モバイルSuicaのアプリを開いてみると『定期・グリーン・チケット購入』の文字。なんてことはない、モバイルSuicaのアプリでサクッと購入できた。
(注意:ICカードでもモバイルSuicaでも事前チャージが必要です)

無事に息子希望の1階席に座る。リクライニングチェアにテーブル、長距離移動しているとは思えないほど快適でくつろげた。1階の車窓の楽しさは分からなかったが息子は喜んでいた。


交通系ICカードをかざすと使用中の緑色になる


普段見ることのない目線で息子は楽しいらしい



高崎駅で途中下車。お土産屋さんが多く目移りしてしまう。


群馬のゆるキャラ、ぐんまちゃんSHOP

高崎駅で両毛線に乗り新前橋駅で乗り換える。伊香保温泉が有名な榛名山、”赤城おろし”という冬の乾燥した冷たい強風が有名な赤城山、この山の存在感は大きなものだった。

新前橋駅から上越線に入り水上駅へ。水上駅から先の上越線(同じ上越線ではあるが越後湯沢方面)では交通系ICカードが利用できない。青春18きっぷだから交通系ICカードを使ってないけど、まさか関東で現金のみの区間があるとは思ってもみなかった。

同じ上越線だが水上駅で乗り換える。ボックスシート(2人ずつ向き合って座る4人席)に心が躍る。
水上駅から車掌さんが切符の確認をする。車掌さんが切符の確認なんて、なんだか懐かしい。駅員さんが切符を改札鋏で切れ込みしていた姿を思い出した(昭和)。

「ママ!土合(どあい)!トンネルの中の駅だよ!」

地上の駅舎から地下ホームまで階段が計486段あり約10分かかるという土合駅。その他止まらぬ息子の解説を子守唄に目をつむる。ネッククッション様様で快眠。

「おなかすいた」「買ったお弁当を食べたい」

ボックスシートで食べるのは旅感が増して好きだ。高崎駅で途中下車したときに買ったお弁当を食べることに。高崎の駅弁で有名なのはダルマ弁当や峠の釜飯だが、わたしは駅弁ではなく登利平(とりへい)のソースカツ弁当を選んだ。群馬県はソースカツが有名で登利平というお店を覚えていたのだ。醤油ベースのソースが美味しかった。がゆえに、登利平といえば鳥めしも有名で鳥めしも食べたくなり、両方を買えばよかったとシュンとする(食いしん坊)。


(背景の白い物体は雪)
(春休みでも雪だらけ)


スノーボードを抱えて乗り込む方々を見て「滑れるほど雪があるの?!」と驚いた。そうこうしているうちに新潟県の長岡駅に到着、信越本線に乗り換えだ。こちらの車両はロングシートだったので、ボックスシートでお弁当を食べといてよかったと思う。同じ普通車でもロングシートでは食べる気になれないのはなぜだろう。

長岡駅からは遮る物がない田園風景がただただ美しい。田園のなかに蓮根畑を見つけるのが楽しい。

「ママ!ママの好きな新津だよ!」

好きではないが気になっている。
首都圏の車両にのるとだいたい『新津車両製作所』とかいてあり「あの電車もこの電車も新潟の新津で生まれて東京で走っているんだなー」と思っていたのだ。その新津。てっきり『首都圏の車両の聖地はここ新津だぜ!』と熱い駅だと想像していたが、それについての案内はなく他と変わらぬ駅だった。そこに興味があるのが電車好きだからか?
新津といえば新津鉄道資料館もある。こちらは新津駅から徒歩約30分。案内は…あったかもしれない。

「ママ!ママの好きな亀田だよ!」

柿の種を食べるたびに「柿の種は亀田製菓という会社が作ってて、本社は東京じゃなく新潟県の亀田駅が最寄駅なんだよ〜」と言っていたのを覚えていたらしい。亀田製菓はハイハイン、ハッピーターン、ソフトサラダ、ぽたぽた焼き、などなど息子にとっては保育園のおやつで食べたことがあるものばかりで馴染みがある企業だ。


ついに目的地新潟駅到着。約9時間。車両にトイレがあるから駅でトイレ休憩をしなくて済むとはいえ、約9時間…長かった…。首も腰も疲労困憊で、湘南新宿ラインでグリーン車に乗っておいて良かったと思う。


「長かったね。ぼくもうこんなに乗るのはいいかな。」

おいおい青春18きっぷ、残り3回分あるぞ?!

やってみてわかることって、あるよね。経験できて良かったね。

そう言うのが精一杯だった。

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