🔳 3-3 形容詞は体がその場でとる無時間的な属性(状態)
状態(表現して形容詞)は、体(表現して名詞)がとる静的な属性の種類を概念化したものである。
静的というのは、対象を時間的な変化においてみるのではなく、対象を無時間的にみることをいう。
たとえば、「赤い」「小さい」などは、典型的な状態である。「早い」「遅い」のような動きの属性も、一定期間変わらないという意味で、無時間的な態でとらえた「状態」である。
状態は、次の三種の形式で体と結びつく。
① 体 + be + 状態 He is ill.
② 概括体 + 状態 something interesting
③(具態+)状態 + 統体 a foolish man
②は、someone など、統体を概括的に把握する体(概括体)の後ろで、状態を補足する形式である(概括体は、準体の一種。☞準体)。
① ② の形式が個別的・特殊的な状態を概念化するのに対して、③ の形式はより普遍的・一般的な状態を概念化する。
状相 ある体の状態は、他の体の同種の状態と、程度という相(そう)において比較が可能であることがある。これを状相と呼ぶと、状相を述べる形式には三種ある。
① as + 状態 + as 同等 This is as good as that.
② more + 状態 + than 比較 It's more beautiful than this.
③ (the) most + 状態 + in, among~ 最上 She is the most intelligent student in the class.
状判 その状態が誰にとって、どの程度のものかについての話し手の判断を、状態の後に付加できる場合がある。これを状判の形式と呼ぶと、判断の対象になる体が、物、人、事のいずれであるかによって、後ろに用いる形式に、ある程度特徴がある。
① 物判 The material is soft enough to fill the gap.
② 人判 It's very kind of you to come. He is certain to win the game. He isn't good enough for her.
③ 事判 It is natural for him to think so. It is certain that he wins the game.
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