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【コラム】 現在完了は終了した動態をまだ保持しているという心理の表現(時相)

いわゆる完了形 have ~en とは、<動態の終了した相 ~en を、まだ保持 have している>という認識の表現形式である(保持時相)。

終わったことが、まだ心に残っているというのは、誰もが思い当たる心理だ。

彼はさっき部屋に入ってきたが(終了)、まだその余韻が感じられる(保持)。

He has entered the room.

これまでパリに三回行き(終了)、その記憶が残っている(保持)。

She has visited Paris three times.

こうした心理を概念化して表現する形式が、保持時相 have ~en  である。

(学校英文法では、完了形に<完了・結果、経験、継続>といった意味があるという説明をしており、そう書いてある辞書もあるが、これは結果として聞き手に感じられる意味を分類したものである。これは巧みな分類で、参考になるが、文法概念としては、have ~en  は保持時相であることをつかめば十分である。)

保持時相は、過去・現在・未来の三つの時関(時制)の、どれにも認識できる。

He had arrived by noon. (この noon 正午は、文の話し手がいる時点より以前 )

He has arrived by noon.(この noon 正午は、文の話し手がいる時点と同時 )

He will be have arrived by noon. (この noon 正午は、文の話し手がいる時点より以降 )

以上のことを理解し、場面に応じて使う練習をすれば、保持時相は使えるようになる。

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