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英語の発音には体系がある 私の発見

英語の音素の種類は現在では確定しており、それぞれに発音記号が割り当てられて、多くの辞書に採用されている。

だが、国際音声記号(人間の言語音をすべて網羅し、それぞれに記号を割り当て、調音点などを基準に並べた表。国際学会が作成したもの)の配列の影響もあって、英語の音素に特有の体系は確定されておらず、いまも英語教育用の教科書などでは、体系性に欠ける音素配列表が載っている。

もともと人間の言語音のうち、子音は口内(唇や口蓋)または咽頭部の一点を接触または極度に縮小することによって出すもので、母音は口内の形態全体を調整して言い分けるという原理は知られていた。

英語の発音のむずかしさに困っていた私は、二十年近く前のある夏、図書館の机にすわり、発音記号の [I]からはじめて、口の横断面図にそって英語の母音を書き入れていった。

するとだいたいきれいに並んだので、ちょっと驚いた。

つづいて子音についても、口内と咽頭での接触・縮小点の前後上下を考えながら並べると、だいたいきれいに並ぶことを発見した。

そのときのことは図書館の明るい光の印象とともに今も覚えているが、発見といっても、ああ、そうかもしれないと思った程度だった。

どこまで正しいか、にわかに判断はできなかったからである。

それから時間がたち、ときどき振り返って細部を修正するうちに、私は自分が到達した配列の正しさを確信するようになった。

完成した配列を下に掲載しておこう。



英語母音の体系 母音は15個の行列



英語子音の体系 子音は24個の行列


英語の音声は、この2枚の図に凝縮される音素の組み合わせでできている。

2枚の図では、母音も子音も前後上下に規則的に配列され、元素の周期表に似た反復的マトリックス(行例)をつくっている。

その規則性と全面性(口内と咽頭と鼻腔と胸腔をフルに活用しているという意味で)は、ちょうど電車の一両に乗ってきた乗客がたがいに距離をおいて座っていくと、結果として車内いっぱいに均等な距離をとって並ぶ様子に似ている。

英語の発音は、この図に示した構造を念頭において練習すると効率的に習得できる。

私自身、この発見を世間に知ってもらおうと試みた時期もあったが、年齢がすすむとともに、私は普及活動をやめた。

だからいまだに多くの人はこれを知らない。

発見というものはその瞬間で終わるものではなく、本人にとっても世間にとってもその価値が実証され真実性が納得されるには、発見の後にもそうとうな努力と時間が必要になる。

私の英語音素についての発見と普及の中断も、このことの証明になっていると思う。

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