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大学受験の英単語帳『鉄壁』をのぞきこんでみた

大学受験の英語といえば、有名な英単語帳がある。

『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』KADOKAWA、2009年

通称「鉄壁」。600頁を越える分厚い本で、帯には「累計30万部突破」と書いてある。

「はじめに」の部分で、 9頁 にわたってこの本のねらいが説明してある。読んでため息がでた。600頁の一部を読んでみたが、やはりため息がでた。

この本を批判するつもりはない。他の英単語帳も大同小異だろうし、この本で何かに開眼する人もいるだろう。

たとえ話をひとつ思いついたので、それを書いておきたい。

日本語と英語は、ずいぶん違う言語である。スポーツでいえば、ルールも身体の動かし方もそうとう違っているということだ。日本語と英語は、違うスポーツである。

そう考えると、日本人が英語を学ぶのは、幼児のときからバスケットボール(日本語)をやっている人が、新たにサッカー(英語)を習うようなものである。

さてそれで、われわれは何をしているか。

この英単語帳がそうであるように、英語の単語をひとつひとつ日本語に変換し、何千という英単語について、日本語が即座にうかぶように練習する、といったことをしている。

これをスポーツでいえば、サッカー(英語)を見ながら、ひとつひとつの動きをバスケットボール(日本語)の動きに変換し、バスケットボール(日本語)をしているのである。

サッカー=バスケットボール !?

こういうチグハグがまかり通るのは、昔から受験生はそうしているので、疑問に思わないからだろう。じっさい、日本の大学を受験するなら、この方法でけっこう通用するから、国内では実用性もある(ほんらい英語は、日本語が通じない人とのあいだで使うものであるはずだが...)。

ただ、ひとつ言えることがある。

それは、サッカー(英語)をしている気分で、じつはバスケットボール(日本語)をしているかぎり、サッカーがかなり理解できても、自分でサッカーができるようにはならないということだ。


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