"at the office" か "in the office" か その2
ところで、前置詞の謎のひとつに、on やin のように目的語をともなわずに慣用句(go on, give in)をつくるものもあれば、at のように必ず目的語をともなうものもある。それはなぜか、というのがある。
以上で、その理由の一部がわかった。
on や in は、認識上の探索を含意するから、何の「表面」や「内部」なのかを表現せず、聞き手の探索に任せることで、多様なニュアンスを出す語法が成りたつ。
Hold on a minute, please. (少々お待ちください)
We won't be eating in tonight. (今夜は外食にしよう)
これに対してat は、<探索の結果、それがどこであるか(場所)が客観的に特定された>という認識を言う。だから、at の場合、それが「どこ」であるかを言わなければ意味をなさない。
He threw a dart at the board. (ダートをボードに向かって投げた)
(つづく)
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