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英語への通路をふさぐ二つの障害 その2

日本人の英語が上達しない第二の原因は、和訳である。

われわれが英語を理解し、練習するためにまず必要なのは、英語についての正確な説明である。

英文を日本語に訳す技能は、英語そのものの理解とは別のことである。世界には、英語以外の言語に訳せなくても英語ができる人が何億といる。他の言語に訳せないから英語がわからないということはない。また、日本語に訳せたからといって英語がわかっているとは限らない。

日本語に訳せても英語がわかっているとは限らないというのは、意外かもしれない。

例をあげよう。"I went to Disneyland with my girlfriend." という文なら、「彼女とディズニーランドに行った」とでも「訳す」だろう。ところが、これでは、"my" の部分が「訳」から抜けている。じっさい日本語では、「私の彼女と行った」というのは不自然だ。しかし、英語では"my" は欠かせない。

さらに、Disneyland  になぜ the が不要であるかを知らないと、"I went to the Disneyland." のような「英語」を、いつまでも言いつづけることにもなる。"the" のひとつやふたつ、気にしないでいいという人もいる。だが、中学で習う the がきちんと使えない人が、はたして「英語ができる人」といえるだろうか。

和訳して満足し、日本語の世界に引きこもっているかぎり、英語ができるようにはならない可能性が高い。



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