生理の貧困をなくす!生理用品を必要な人に無料提供するスコットランド
明けましておめでとうございます🎍
子どもたちの冬休みも終わり、新学期スタートの今朝、
さっそく今年初のプールに行ってきました🏊♀
そして市民プールのトイレの小さな変化を発見!👀
◆ トイレに入るといつもはない小さなかご……
トイレの後ろにある小さなプラスチックのかご。
近づいてよく見てみると……
「無料生理用品:必要な方はご利用ください」の文字。
無料生理用品が入ったかごでした!
スコットランドでは「生理の貧困(Period poverty という言葉が使われています)」をなくすため、必要は人は無料で生理用品を提供してもらえる法律があるんです。
◆ スコットランドでは必要な人には生理用品が無料で提供されます
思い返せば、2020年。
新型コロナパンデミックで最初のロックダウンの少し前ぐらいだったと思うのですが、スコットランド議会で「period poverty(=生理の貧困)」をなくすため、生理用品を無料提供する法案が可決されました。法が施行されたのが2022年の夏。
世界で生理用品を無料で提供している国はスコットランドだけではありません。例えば、ニュージーランドでは生理の貧困をなくす政策の一環として2021年から学校での生理用品の無料提供がスタートしました。アメリカでも、学校での無料生理用品の提供をしている州がいくつかあるそうです。フランスでも学生を対象に学校や大学で無料生理用品を提供しているのだとか。
世界で見ると、学校や教育の場で無料の生理用品を提供している国はあるものの、今回スコットランドで施行された生理用品の法案の対象は「生理用品を必要としているすべての人々」。英メディアによると、ここまで広い対象で生理用品を無料で入手できる権利の法制化は世界で初めてということです。「必要な人はだれでもみんな生理用品にアクセスできる権利がある」という点がとてもスコットランドらしいな、と思います。
◆ 10%の学生は生理用品が買えない?!イギリスの女の子たちの実態
BBCによると、2018年に行われた調査で女子学生の4人に1人が「生理用品の確保が困難」と回答したという結果が出ました。
また英国チャリティー団体「Plan International UK」の調査では国内の10%の女子は生理用品を購入できず、15%は生理用品の購入が困難、19%が経済的な理由から自分に合わない製品に変更している、と回答したいう結果も。
一部の女性は経済的な理由から適切な生理用品を購入する余裕がない、または生理用品にアクセスできない「生理の貧困(=period poverty)」という環境にあることが浮き彫りになりました。
また女子学生の中で「生理が理由で学校を欠席したことがある」人の数は約半数。この中にはもちろん生理痛や貧血などの理由も入っているかと思いますが「生理用品がないから外出できない」という人も。
このニュースを見た時、日本人の私は「え!生理用品が買えないなんてことがあるの?」と思ったのですが、これがイギリスの実態のようです。ニュースのインタビューでは「生理中は生理用品がないから学校に行けない。ずっとティッシュを下着に敷いて頻繁に取り替えて過ごしている」と話す少女もいて、衝撃を受けました。
◆ 生理用品を無料提供する施設は着々と広がっています
2022年の法施行後、私がいち早く気がついたのは最寄りのスーパーマーケット。イギリス大手スーパー Morrisons は「Package for Sandy」を店員に申し出ると生理用品を無料で提供しています。
周りに男性がいるときに「無料の生理用品ください」というのは勇気が要りますが「サンディーパッケージください」と合言葉のようにしている点も配慮があっていいなあと個人的に感じています。
法の施行にあたって、スコットランドでは「PickupMyPeriod」という携帯アプリで無料生理用品が入手可能な最寄りの施設を探せるようにもなっています。
スコットランドのスーパーではもちろん有料の生理用品がたくさん並んでいます。経済的に負担のない人は、お金を出して、自分の気に入ったメーカーの生理用品を今まで通り使っていくべきです。この法律はあくまでも生理用品の入手が困難な人を対象にしたもの。「誰に対しても無料だから……」と、生理用品の調達に困ってもない人が悪用してはいけない制度です。
この法律によって、これまで生理用品が入手できなかった人たちや、生理の時に我慢してきた人たち、苦労してきた人たちが少しでも暮らしやすくなるのかな……と思うと、心が少し温かくなりました。
スーパーや病院、図書館、学校、コミュニティセンター、ジムやプールなどいろいろな施設で無料生理用品の提供が広がってきていることを肌で感じた2024年初のプール通いとなったのデシタ。