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プロトタイピング

日頃の空想の中で、こんなロボット、こんな装置があったらいいなと思うことがあります。
例えば、日頃の運動不足を解消したいので、キャッチボールやバドミントンの相手をしてくれるパーソナルなロボットがあったらいいと思ってみたりします。
しかし、今のところその様なものは 世の中に無いので、自分で作れないだろうかと考えてみます。
システムズエンジニアリング的にザッと考えると以下の様な流れが一例として思いつきます。

1.システムの概案を考える。
2.システム仕様を具体化してみる。
3.システムの実現性を机上で検討する。ロボットの様なシステムの場合はモデルベース開発が有効なので、まずは、シミュレーションモデルを作る。
4.シミュレーションによってシステムの実現性を確認する。
5.実現性が確認出来たら、システム仕様を設定する。
6.システムをサブシステムに分割し、サブシステム仕様を設定する。
7.サブシステム仕様まで出来たら、一旦、概算見積を行って予算を確保する(予算をどう確保するかは一旦置いといて)。
8.サプライヤーにサブシステムを発注する。
9.並行して、シミュレータ上でシステムの制御プログラムを開発する。
10.サブシステムを製作出来て来たら、システムを組み立てる。
11.ソフトウェアをシステムに実装する。
12.試験によりシステム検証を行う。
13.運用テストにより、システムの妥当性を確認する。

と、こうなります。
ただし、この開発の流れはそれなりに開発費がかかるので、予め事業化の目途があるとか、既に研究開発予算が組まれているとか、 資金が確保出来ることが前提になってしまいそうです。
ここで、私が考えたいのは、「あったらいいな」くらいのものをアイディア段階で気軽に形に出来ないだろうか?ということです。
ただ欲しいから作るのであって、開発資金を回収出来るだけの事業性があるのか? などと問われると思うと、最初からハードルが上がって萎縮してしまい、開発意欲やアイディアが沸かなくなってしまいます。

この問いに対する具体的な答えは持ち合わせていないのですが、今のところ以下のキーワードで考えています。

1)クラウドファンディング
2)バーチャル開発
3)AI活用

1)資金的な問題の解決方法として、クラウドファンディングの話は良く聞きます。自分では未だやったことが無いのでよく分かりませんが、アイディアがまとまったらやって見たいと思っています。

2)ロボットの様なシステムの場合、機体のダイナミクスや、環境から加わる入力などを数学モデルで表現し、これに制御アルゴリズムを加えたシミュレーションで動作検証を行ないながら開発を進める「モデルベース開発」が近年では良く活用されています。システムの概念設計や基本設計段階で、ハードウェアの製作前に行うことでシステムの実現性を粗方確認出来るので、多額の資金を調達する前に方向性を決めるのに有効な方法と考えられます。
近年では、3Dグラフィクスと組み合わせたバーチャル空間(いわゆるメタバース)での確認もやり易い環境が整ってきているので、人が介在するシステムの検証に使えることや、プレゼンテーションによる訴求効果もあると思います。

3)バーチャル開発をするにしても、複雑なものになるとやはりソフトウェアのコーディングスキルや開発期間がそれなりに必要になります。この点について、最近流行のChatGPTに見るようなAIのパワーを活用したいです。要件を言葉で入力することでプログラムのコードを自動で出力してくれる事例も各方面で紹介されているので、これを活用しない手はないと思います。今後、この分野は急速に発展して行くものと期待しています。
また、ハードウェアの設計においても、今後、AIが設計支援を行うことが出来る様になってくると思っています。3Dプリンターの活用を前提としたジェネラティブデザインの分野も今後発展すると思っています。

以上の様に少し先の未来への期待も含まれていますが、アイディアを形にすること(プロトタイピング)を個人レベルでも気軽に出来る様になれば、さらにアイディアも湧いてきて、夢が広がってゆくのではないかと考えています。


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