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休憩・インポッシブル


皆さんにとって”たまにする贅沢”って何ですか?
ご褒美というか、ささやかな楽しみというか。

ちょっと高めのプリンとか、欲しかったスニーカーとかですかね。

僕は、マッサージです。
バイトの休憩時間の合間にたまに行くマッサージが、ささやかな楽しみです。
月1回か2回ぐらいの頻度で行きます。


バイト先がある大阪駅前ビルの地下街は、様々な飲食店がおびただしい数並んでいて、平日はランチの宝庫、土日は昼飲みの聖地です。

1時間の昼休憩をどのようにして有意義にするか。
それが僕に課された至上命題でもあります。

あらゆるジャンルを取り揃えたランチ激戦区をどう楽しむのか。
休憩が被っている芸人仲間の誰と過ごすのか。
これはすごく大事な問題。
その日を豊かにするためには絶対にミスは許されないのです。
まさにミッション・インポッシブル。


出勤してすぐにチェックするのが休憩時間の振り分け表。
そこで、芸人と被っているか否かをまず確認します。

そこでだいぶテンションが左右されるのですが、一人で過ごすと決まったら決まったで、僕は頭を切り替えます。

ここで浮上するのは2パターン。

Aは、ランチの豪華さに全BETするパターン。
Bは、ランチを抑えて、時間と予算をマッサージに捧げるパターン。

このプランBが、たまに訪れる僕のささやかな楽しみなのです。

飲食店だけかと思いきや、マッサージ店激戦区でもある大阪駅前ビル。
ビジネスマンが集うエリアだからでしょうか。

「いや毎回行けばええやん」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、休憩が芸人と被ることも多いですし、予算面の問題もあります。

なので、おのずと”たまに”になるのです。そして、”たまに”だからいいのです。



プランBを遂行すると決めた僕は、早い段階でランチの選定に頭を巡らせます。
ここで鍵になってくるのが、「安さ・速さ・少なさ」です。

どういうことかというと、まずは先程も書いた予算面。
ランチの相場は基本1000円未満。大体600円~900円の間で済ませたいもの。
大体僕が行くマッサージは中国人がやっているタイプ。30分だと1500円が相場です。
非常に安いです。ですが、ランチと合わせて2000円くらいに抑えれたら、お財布パフォーマンスとしてもより申し分ないです。
となると500円くらいのランチ。

次に時間の問題。
休憩時間は1時間なので、この場合、ランチ30分・マッサージ30分の時間配分は基本になってきます。
となると、提供時間の速さやオペレーションの充実度が重要です。

最後にごはんの量の問題。
食べ過ぎるとマッサージの際のうつぶせの姿勢が苦しく、背中を押される度にうめき声をあげてしまうからです。

「いやそれは好きにしたらええがな」
と思うでしょう?
僕は現在32歳。絶賛食べ盛り中です。大盛りやおかわりをしてしまわないように細心の注意を払わないといけません。

これらの中で、僕が導き出したランチの最適解は、

・吉野家の牛丼並
・丸亀製麺の釜揚げうどん並

です。
予算面、提供時間、量。あらゆる条件をクリアしています。
この「安・速・少(あんそくしょう)」を心がけて初めて、思う存分マッサージを受けれるのです。



前置きが長くなってしまいました。

僕のよく行くマッサージ店は中国人スタッフばかりの店。
同じような店が駅前ビルの地下に数多く点在しています。

店前に行くと、
「お兄サン、いつでも行けるヨ~」と快く迎えてくれる店員。
9割くらいがおばちゃんです。
もちろんエロいお店ではありません。めっちゃポロシャツです。

ちなみに僕はたまにいるおじさんがいいんです。腕っぷしがあるので、女の人に比べて、僕好みの強さで気持ちよくしてくれるからです。
エロいお店ではありません。めっちゃ白髪交じりの角刈りです。

料金は基本先払い。
ヘッドスパや足つぼなどもありますが、休憩時間の合間なので、いつも整体30分コース。
現金で払って、そのままの服でベッドにうつぶせに。

ベッドは所狭しと並べられ、カーテンの仕切りもありますが、おばちゃんはカーテンにまみれながら施術をしているので、仕切りの体を成していません。

スタッフのおばちゃん同士は大きな声の中国語でしゃべっています。
「なんか悪口言われてたらどうしよう」とかも少し思いますが、たぶん業務的な内容かと。
施術しながら、来店した客の対応するなど朝飯前です。

最初はどやねんと思いましたが、その煩雑さにだんだん居心地の良さを感じてきています。
かしこまりすぎていない感じ。

終わってからの「お茶ノム?」「飴ちゃんイル?」という心ばかりのホスピタリティも気に入ってきます。

後から気づいたのですが、似たようなお店があるのではなく、どうやら同じ系列店のようで、一度混雑している時、店を後にしようかと思ったら、
「行ける、すぐ行けるヨ!」と、少し離れたとこにある違う店におばちゃんと二人で移動しました。

そこで、結構待たされた僕。
あの「すぐ行けるヨ」とは一体何だったのか。
おそらくこの客単価では数を稼ぐしかないのでしょう。
絶対に「イケテナイ」のに、「イケル」と言い張り、客を食い止めていたのです。なんと煩雑なことでしょう。

そして最初の店では、PayPayが使えると聞いていたのに、連れてこられた店では使えないとのこと。いや、同じ店の感じで「イケルヨ」いうたんやからさあ。もぉ~、煩雑ぅ~。

まあそんなところもひっくるめて、なんやかんやで気に入っているそのお店。マッサージはしっかり気持ちいいので(理にかなったものかはわからんけど)、コスパは非常にいいと思います。



これが僕の、たまにするささやかな贅沢の話です。
マッサージに限らず、今後も、休憩時間を有意義なものにするという任務の遂行に、日夜励んでいきたいと思います。



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