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芸人1年目、ボウリング場のバイトの話。


久しぶりにバイトの話を書いてみようと思います。

自分の体感ですが、バイトの話は意外と好評なようです。
やはり、若手芸人の裏側というか、普段どうやって生計を立てているかとかが気になるんでしょうかね。

「バイトだけでナンボほど書くことあるねん!」と、思えば思うほどなんか辛くなりますが、「人生経験と思えば人生経験か」と切り替えて書いていきたいと思います。



大阪に住み始めて1年目の秋。
この時期にいくつか同時に掛け持ちでバイトを始めます。
その一つがボウリング場のバイト。
「ええやん。娯楽やん。楽しそうやん。」と感じる方が多いかと思いますが、実際はめっっっっちゃ暇で退屈でした。


「暇で退屈」な理由として、まずは立地。
場所は道頓堀にあったのですが(こんなん言うたらバレるのは時間の問題)、近くにはなんと業界最大手、ラウンドワンが鎮座。
もちろんみんなそっちに行きます。特に力の有り余っている若い子たちは、他のアミューズメントも充実しているので、ラウワンを選ぶのでしょう。
すごく暇でした。


「暇で退屈」な理由、その2は仕事内容です。
お客さんがいない時は、基本掃除。
「いや、昨日もやったやん」という気持ちを押し殺して、モップをかけたり、窓とかを拭いていました。

僕、あの「やることないからとりあえず掃除しとこうか」の時間がめっちゃ嫌いなんです。意味ないやんって思ってまうんですよね。
上の人間からしたらしゃあないんやろうけど。

その割にケータイとか触ったらめっちゃ怒られました。
カメラで常に見られているんですよね。
しんどい。時間が経つのが永遠に感じました。

暇に拍車をかけていた理由としては、僕が深夜帯しか入っていなかったことです。23時から3時とかで入っていました。誰も来ません。
だって時給割り増しやったんですもん。

お客さんが来たらそれなりに時間経つの早いんちゃう?って思うじゃないですか。でも実際そんなにやることないんですよね。

バイト先のボウリング場は、ビル内に4フロアあって、一番下が受付・卓球・ビリヤード・ダーツゾーン。それ以外の3フロアはそれぞれボウリングでした。

僕らバイトは1フロアに1人ずつ立って、呼ばれたら行く、トラブルに対応する感じの役割でした。
基本的には利用後のレーンの後片付けです。たまにキャンペーンの説明とか、チャレンジにクリアした方に抽選箱持っていくとかでした。

トラブルと言っても滅多になく、たまに操作盤の入力をし直したりとか、ピンが出てこない等の不具合があったらインカムを飛ばして、ピンを並べる機械の裏でスタンバイしてるおっさんにお願いするくらいでした。

あの突き当りの機械の裏側でおっさんが頑張って作業していると考えたら、何か可愛くないですか。ほぼグリム童話ですよね。


「暇で退屈」な理由の最後は、芸人とほぼ働けないという事です。
僕は先輩芸人のムラムラタムラさん(現在東京で活動されている)の紹介で、同期のカベポスター浜田と一緒に入ったのですが、先程も書いたように基本1フロア1人。
しかも浜田は昼勤務だったのでほぼ会う事はありませんでした。なんでもいいから共有したいのに。
昼に入ろうが夜に入ろうが芸人と一緒になれないのは退屈でした。


基本退屈ですが、レーンにオイルを塗るメンテナンスの機械を動かす作業はなんとなく好きでした。
なんか、ボウリング場において必要不可欠なことをしてあげてる感があるからです。
こんな変なこと思うぐらいには暇でした。


暇な仕事中、フロアに立ちながらやる事と言えば人間観察です。
それなりに色んな人が来ました。

ラウンドワンからあぶれたのか、大学生グループもたまに来ました。
調子乗りキャラが、ピンのセットが終わりきる前にボールを投げて、ガードの板にぶつけた時は、めっちゃ機嫌悪そうに取りに行くという遊びを個人的にしていました。
正直あんまりなんも思っていないのですが、インカム飛ばして相談したり、あたかもめちゃくちゃ深刻なことをしでかした感を醸し出してやるのです。そうすれば、調子乗りのテンションが少し下がります。
「ハメ外すとこんな空気になるよ」という社会の厳しさを教えてやるのです。


中国人や韓国人などのインバウンド客もよく来ました。
おそらく韓国人だと思うのですが、備え付けの灰皿に唾を吐くのです。
最初はその人だけの癖だと思っていたのですが、どうやら風習なのか、結構な人数の韓国人が灰皿に唾を吐くのです。
そうなると掃除がほんとにいやで、韓国人観光客が来店すると、
「うわ、、また唾来たやん」とか思ってしまっていました。すみません(普通に性格とかはいい人が多かった)。



てかなんか陰湿な思い出ばっかりですね。(笑)
たぶん黙って仕事をしていて、心の中で「何してんねん」とかツッコんでばかりいたからだと思います。

その点浜田は、いろんなお客さんに気さくに話しかけて、常連さんと仲良くなったりしていました。
昼間という事もあって客層も違ったからでしょうが、コミュ力が高いやつです。
絶対に連絡先とかも渡していた事でしょう。

ストリート系サンタ時代のカベポスター浜田


深夜であんまり人が来なかったとはいえ、もっとお客さんと喋ったりしていたらエピソードもたくさん生まれていたと思うので、次のボウリング場のバイトではもっとお客さんに喋りかけ、、いや次のボウリング場てなんやねん!もうするかあ!


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