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ラグビーワールドカップ(略称 RWC)ってインバウンド市場に影響あるの? ~国籍、訪日数、経済効果など調べてみた~

今夜 9月20日(金)夜から始まるラグビーワールドカップ 通称RWC、開会式を経て、日本VSロシア@東京スタジアムで幕を開けます。前回2015年イングランド大会のような盛り上がりになることを期待しています!

今回は、開幕が近づくにつれて露出が増えてきたラグビーワールドカップ、インバウンドへの影響がどの程度あるのか、まとめてみました!

1.ラグビーワールドカップ2019日本大会の概要

・大会期間 :2019年9月20日~11月2日 44日間  48試合
・開催都市 :全国12都市(北は北海道から、南は大分・熊本まで)
・経済効果 :4,372億円と試算
・チケット販売枚数 :182万枚
・チケット販売済み枚数 :164万枚
・海外観戦客数   :40万人想定

既に160万枚以上のチケットが販売されており、40万人以上の外国人が1ヶ月半の間に訪日する見込みのようです。 昨日発表されたJNTOの訪日外国人数推計値では、2019年8月は252万人でした。つまり、月間訪日外国人数の15%程度がRWC目的で訪日する見込みとなっています。

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2.過去の大会ってどうだったの?

前回大会は2015年イングランド大会でした。EYが2015年のレポートを出していましたので、拝借させて頂きます。

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前回大会も海外観客数が40万人超、チケットは250万枚近く販売されたとのことで、非常に好評でした。特に注目すべきは、訪れた海外観光客の国籍と滞在日数です。海外観光客の9割がいわゆる欧米豪で現在日本政府がターゲットとしている国籍です。(開催地がイングランドというのは大きいですが)また、滞在日数が長いことも特徴で、平均日数は14日間=2週間とめちゃくちゃ長いです。試合の合間は、観光をするのが特徴です。

3.今回の日本大会のインバウンドへの影響は?

では、今回のRWC2019日本大会は、インバウンドへの影響は如何ほどなのか? トラベルデータを提供しているADARAがレポートを出していますので、抜粋させて頂きます。

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ADARAは、全世界の航空会社やホテルからブッキングデータを集めており、総合的に需要の予測を行うことができます。今回のレポートを拝見すると、

・RWC出場国=欧米豪からの訪日数が開催期間中は、全体の50%までリフトしている傾向あり
・滞在日数は、6割以上が2週間以上の滞在を予定 3週間以上も約2割
・訪日を予約したのは、訪日予定日の200日前=半年以上前

上記傾向が見受けれらます。現状の上記予約データを基にインバウンドへの影響を考えると、

・欧米豪の訪日数が通常期の2-3倍は来ることが予測される
・6割以上が2週間以上滞在 ≒ 日本中を旅する
→個人商品単価の高い欧米豪の観光客が多数訪日するため、消費額の増加が見込まれる

4.まとめ・おまけ

結論としては、欧米豪の方々が通常期より多く来る見込みのため、消費額については良い影響があるのではと思っております。

ここからの課題としては、来て頂いた訪日外国人に如何に良い体験をして頂けるか? 自分も会場(豊田スタジアムを予定)へ足を運んで、近隣の飲食店などインバウンド対応の状況、外国人の方の盛り上がりは現地で確認してこようと思っています。

最後に、来年2020年は東京五輪です。RWCに関するADARAのデータを見る限り、既に航空券・ホテルを取って五輪を観戦する予定の外国人もたくさんいられると思います。

五輪やRWCなど日本で開催する大きなイベントは、一生に1回来るかどうかの外国人が日本を体験することができる絶好の機会です。開催期間中は日本自体が巨大なメディアになります。訪日外国人向けのマーケティング活動は、”旅行”という人生における特別な体験の中で、如何にして情報配信し貴重な体験をして頂き、訪日外国人の方の記憶に残るかに価値があると思っています。

グローバル展開を標榜・指向する日本企業 (特にメーカーや飲食業など) にとって、インバウンド対策は滞在中その一瞬の費用対効果で見るものではなく、長い目で見た時の入り口として考えるべきです。 このあたりはまたnoteで書きたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!!

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