見えていないもののこと

目に見えないことほど大事なこと、というのは一般的なことで、お金や物ではなく心が一番大事、みたいな結論が多いけれど、そういうことではない。
いや、それも正しいし、そういうことなんだけれど、もっと物理的な距離のことで、目に見えないものはなかなか大事にしにくいと思う。
新しく引き継ぎした仕事で相手先の人とやり取りをしていて、それがメールや電話ばかりで挨拶はしたものの、その人がどんな顔をした人なのか、いくつくらいの人なのかなどが全く分からない場合がある。
なかなか理不尽なことを言われ、ムカつくぞ、と思っていても、実際に出会ってしまって、いつもお世話になっています~なんてやり取りを一度でもして電話口でもメールの画面越しでもその人がどんな顔をしているのかが想像できるようになると、なんか許せてしまったりする。
逆もあって、許せなくなったりもする。
それはやっぱり、見てしまうということの力だと思う。
メールや電話では感じられない存在感が生まれてしまうからだと思う。

これとはまた別かもしれないが、直接あって話をしなくなる友達との縁を繋げていくことは本当に難しいと思う。
学校や仕事で毎日顔を合わせて話をしていた頃はできた気遣いや、おおらかな気持ちを文章でのやり取りですることができない。
おかしなことだけれど、直接会わなくてもテレビ電話で定期的に話をしていたりしたらきっとその人のことをもっと大切にできるような気がする。

目に見えることだけ、目の前のことだけを大切にしていると、そのうちすごく孤独になってしまうのではないかと不安になるときもあるのだけれど、なかなか会わない人とのやり取りを続けていくことはとても面倒だと思ってしまい、つくづくコミュニケーションの才能がないやつだなと実感するこの頃だ。

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ぞのめ

差し支えのないこと

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