サプライへのぼやき

 サプライ品とはスリーブ・プレイマット・デッキケースなど、カードゲームをする上で使用するものへの総称である。スリーブはカードの保護以外にも、公認大会に出る上でマーキング防止などの理由で必須のタイトルもある。それ以外のものは必ずしも利用しなければいけないものではない。余談だがとあるタイトルでは、そのタイトルのアニメ作品に出演する声優がデッキを何に入れるかわからず、とりあえずタッパーにいれたとSNSにあげた。ファンやユーザーは面白がり、ついには公式からタッパーがサプライとして発売される、なんてこともあった。
先述した通り、サプライはあくまでも飾りである。最近ではデッキケースはおろかプレイマットも100均でも揃う。しかし、私はついつい買ってしまう。特に自分でも押し入れにしまわれたこれまでに購入したプレイマットを見て顔を引きつらせることがある。身体は一つだというのに何故こんなに買ってしまったのか…。公式に加え、好きなアニメ作品のものも買ってしまう。近頃はデスクマット・ラバーマットという名でも販売されることがある。用途としてあげられるイメージ画像ではその上にキーボードやマウスを乗せている。大きいマウスパットをイメージしてもらえればわかりやすいだろう。もちろんカードゲームにも使える。ついついチェックしてしまう。こういったサプライは基本再販がない。今買わなければもう買えないかも…ほしいと思った時に中古未開封で探すと定価の何倍にもなった価格になっておりおずおずと諦める。そんな経験を弾避けにしてついつい買ってしまう。
 そんな私にも一定の基準がある。アニメサプライに多いのだが、公式立ち絵をぺたっと貼ったようなイラストを好まない。私はそれらを証明写真サプライと呼んでいる。大学生の頃は好きなアニメキャラクターのサプライを使っていた。悲しいかな同じイラストで統一されたスリーブ・デッキケース・プレイマット・ストレージが販売される。盲目に買っていたが正直言ってもの足りない。端的に言えばテンションが上がらないのだ。気恥ずかしさを覚えてしまったらもう終わりだ。設定画のような立ち姿に魅力を感じないのである。さらに憎いのは謎の枠である。設定画から流用するとなるとプレイマットのサイズとは異なる。よく横の部分があまり謎の枠になる。そこには興ざめている自分がいる。
 さんざん文句を垂れたが、ではどのようなイラストなら満足するのか。それは雑誌のピンナップのような書下ろし感のあるイラストだ。むしろ雑誌のピンナップイラストをそのまま使ってもらって構わない。私は公式がそのようなイラストをあげるたびに「これがプレイマットにならないかな…」と思ってしまう始末だ。この条件に当てはまるプレイマットを発売するメーカーへ無条件で「そうそうこういうのでいいんだよな」と偉そうに腕を組んでうんうんとうなずき肯定してしまう。好きなアニメでそういったものが出てしまったらパブロフの犬のように財布を紐を緩めてしまう。

 スリーブは私の中で変遷があった。アニメキャラスリ期→単色スリーブ期→公式スリーブ期と遷って今が最後の公式スリーブ期である。
 単色スリーブと黒・赤・青など一色のみのスリーブである。多くの人はインナー+単色スリーブで使用しているだろう。恥ずかしい話だが、私はこの単色スリーブに対する青い憧れのようなものがあった。玄人っぽさを感じてしまったのだ。競技的側面を楽しんでいますよ感だ。形から入るミーハーな自分がそこにはいた。皮肉った言い方をしてしまったが、使ってみるとシャッフルのしやすさやファローシャッフルの時の手に伝わる独特な感覚は気持ちがよかった。ちなみに愛用していたシリーズはドラゴンシールドである。
 そんな中、単色に飽きてしまった。もしかしたら公式のスリーブのイラストが琴線に触れたのかもしれない。私はいつの間にか公式スリーブを使っていた。公式スリーブは、公式スリーブ+オーバースリーブを用いていた。このオーバースリーブが難敵だ。商品やメーカーごとにミリ単位でサイズが異なる。私はフィット感にこだわる。大きすぎてもよくなく、やや小さくて公式スリーブがたわむことがあるのもよくない。サイズ以外にも両サイドの断面も気になる。サイズ感もよく、るんるんでつけていざ遊ぼうと思うと横から見ると断面が荒く、どこにどのカードがあるかわかってしまうことがある。公認大会で使えばマーキングと言われても仕方がない。さらに同じ商品でも差があるのも困る。サイズも断面もクリアし気に入ったオーバースリーブだが、別の日に買った同じ商品では…なんてこともある。こればかりは開けてみないとわからない。仕方がないことだが、頭を悩ませる難問だ。
 

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