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百姓は生かさず殺さず / 悪貨は良貨を駆逐する

トヨタ、純利益2.2兆円、というニュースがありました。同じ三河の出身の徳川家康が言ったという「百姓は生かさず殺さず」という言葉を思い出しました。

在職した生産設備の会社の大事な取引先が、なかなか厳しい購買でした。同じ設備だから同じ値段と言う訳にはいかず、常にコスト低減の提案を入れないと発注してくれません。

また、価格=コスト+適正利潤、という考えです。多くの協力会社は、コストを握られ、最低限の利益に甘んじるという状態です。ただし、景気の厳しいときでも、最低限の発注はしてくれる(はず)。まさに、「百姓は生かさず殺さず」です。

どんなイノベーションをしても価格には含まれません。プライスレスです。これだけケチならば、2兆円も稼ぐようになるよと思いました。

当時の会社は、作った設備の価値(バリュー)で価格が決まるべきという考えでした。コストを知られては大きく儲けられないので、相手に本当のコストを知られない様に見積もりを出す、化かし合いみたいな事になります。手の内を知られない様、相手の会社の社員の出向も受け入れません。資本参加も断ります。一社に依存すると危ないので、複数の会社とビジネスするようになったとのこと。オイルショックの経験がそうさせたと聞いています。

この戦略で、会社は大きく成長しました。ちゃんちゃん。

そんな落ちだと良いのですが、現実は甘くありません。戦略はよくても指揮官の戦術が駄目ではね。特に、バブルが弾けた後がいけませんでした。「悪貨は良貨を駆逐する」というのを目にすることになりました。



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