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1シーズン2度の富士登山を経て思う事

2023年になり、周りから「富士山に登りたい」という声を聴いたのが4月。
それは、地元民である俺の出番だと名乗りを上げて一緒に登ることを決めた。
この時はまだ、1シーズに2度も登頂するとは考えてもいなかったけど…。

ただ、自分でも過去に新七合目付近で自分の体調不良により下山せざるを得なかった経験があり、どこかでリベンジしたいと思っていてもう何年も経っていたので”これはチャンス”と自分の思いを叶える為にも登山者を募って実施。

今シーズン1回目は、見事なまでの悪天候の中で開催。
登山者2人を駅に迎えに行く時から激しい雨に見舞われ「この先大丈夫か?」と出発前から不安に駆られていた。

幸いにも(で合ってるのか?)富士山の登り出し「富士山富士宮口 五合目」に到着した時には雨ではなく霧模様。少し視界が悪いくらいで済んだので登山をスタートした。
時間が経過するごとに切りから小雨に変わり、この日の登山の殆どがこの雨模様の中で行われた。

そして、2度目の昨日は、前回と打って変わって晴天。
青空を見渡しながらの登山となった。
また、この時はブルームーン直後。富士山から眺める月はどんなだろう?と
登山前からワクワクしていた。
新七合目の小屋に1泊し、満月から少し欠けた大きな月を眺めながら本当に強い月明りを感じられた自然からのプレゼントとなった。

どちらの登山でもそれぞれの良くも悪くも思い出があり、厳しいながらにも楽しい事がいっぱいな登山でした。
(1回目のい参加者は、楽しい思い出ができたか不安しかありませんが…)

そして、どうしてもこういう登山をしていると出てくる質問・疑問なんですが、「なぜ苦しい思いをして人は山に登るのか?」という事。
2度目の登山の際、参加者から言われた質問でした。
・もろもろお金もかかる
・苦しい、しんどい
・途中で嫌になる
にも関わらず、なぜ登山をするのか?
言われてみればそうですよね。
今回、1シーズン2度の登山と言っていますが、日数で考えると1ヵ月に2度登ったことになる。
しかも、誰よりも私の体力はない…。
苦しくても、体が思うように動かなくても、それでも登り続ける。

で、考えてみたんです。

「なぜ登山をするのか?」

いろいろ理由はあり、人それぞれの理由はあると思うけど、
私の場合は、
・淡々と実績を積み重ねていく単純作業だから
・そこでしか得られない風景や人がいる
・仲間がいるから
大きくはこの3つかなと思います。

淡々と実績を積み重ねていく単純作業だから

1歩1歩確実に前に進めば、必ず頂上へたどり着ける。
よく、勉強でもスポーツでも仕事でも「これを続けていれば絶対に力が付く」と言われるものを、どこまで信じて取り組めるか?
こういう事って多々あると思うけど、結果に結びつくまでに時間がかかる。
そして、結果として現れ実感するのは一瞬だったりする。
その中で、登山はある一定期間の中で味わえ、実感できるツールなのではないかなと思います。
時にはルートを外れてみたり、こっちの方が楽に登れるって行ってみたらその先が大変な事になっていたり。
本当に人生の縮図のように感じられる。

そこでしか得られない風景や人がいる

2度登って、本当にいろいろな人達が居ることを思い知らされる。
・1日2往復している山岳ガイドさん(1度はプライベートで登山)
・頂上の郵便局から暑中見舞いを出すために登頂するおじさん
・2時間半で登頂し終え、次どの山に登ろうか検討している若者
・「頂上の山小屋主に新鮮な魚を届ける」とマグロを担いで登る人
  ※この方富士山初登頂

そして、どこをとってもここでしか見る事のない絶景。
そもそも、自分の足で地面を踏みしめ、雲の上に居るこの環境って早々体験できる事ではないと思う。

初回の雨の中でも、ご来光の時間だけは晴れ渡り、綺麗な日の出を拝むことが出来たり、夜から朝に変わり今まで見えなかった樹海や街並みが見えてくると、これは一つの絵画のようにもミニチュアのようにも見えたり、いろいろな見方ができる。
これを目に焼き付けるだけでも行く価値はあると思う。

仲間がいるから

今までの人生において、県外の方と比べれば圧倒的に登山回数は多いと思う。ただし、今シーズンの経験を踏まえて1つ大きな誤算は「私自身の体力が一緒に登った仲間の誰よりも体力が無かった」ということ。
だから、置いて行かれる→追いつこうとする→無理をする→体力持ってかれるの繰り返し。
なかなか追いつくことは難しく、ゆえに帰りのシャトルバスへ乗る時間(イコール変える時間)が遅くなる。

それでも、こうしてどうにか2度の登頂が成功したのは、一緒に登った仲間がいたから。自分の進むその先で、仲間が待っていてくれるという安心感があったから。
今回の登山を通して、何人か1人で登っている方を見かける事があったけど、自分は1人で登り切れるのか?と聞かれると、この答えはきっと「無理」だと思います。
・また次来よう
・これ以上体に負担をかけられない
・明日から仕事があるから
などなど、途中下山する理由はいくらでも挙げられるけど、仲間がいればそんなことも言ってられない。
そうした関係性を築けるのも、登山の魅力では無いかな?と思います。

来年に向けて

すでにこのタイミングで来年と再来年も登る予定ができています。
来年は、早めに動き出して、富士吉田口からの登頂を行ってみたいと思います。
過去何度も登りはしているが、実は富士宮口からしか登ったことが無く、今回いろいろ調べるうちに、
・登山口による難易度の違い
・行と帰りを同じルートにしなくてもいい事
など、富士登山の知らなかった楽しみ方を知ることもできました。
また、今までとは別の楽しみ方も満喫できればと思います。

覚書

この後9月は、ほとんどの山小屋が9月10日に閉めて、冬支度(小屋封鎖)を始めます。
これに先駆け、頂上の郵便局・富士山浅間大社奥宮の参拝は8月20日頃までで営業終了してしまいます。(神社で営業終了は言葉が違うと思うけど)
なので、富士山頂特別な消印を希望される方は、早めに登頂されることをお勧めします。
遅くなればなるほど、山小屋の食料もあまり多く保管していないようで、売り切れるところを何か所か目にしました。

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