破天荒な男

(2023年11月3日の記事)

まだ寒い春頃に、ある占いで「一度立ち止まり、人生の見直しをはかり、修正点を見つける時期」と聞いたもんだから、もう頭の中はそればっかりで。軌道修正、軌道修正。

確かに、今のまま走り続けることもできるだろうが、やはりそこは何かのメッセージ、生き方を変えて、次のステージにいけという思召。わからんでもない。人生というものに迷っていた10代の頃と比べたら、今は、迷いなくか?選択肢が減っただけか?かなりラクに生きている。それだけでラッキーなのだが。ここままラクに生きた先に何かがあるのか?と問われたら、、、うん。ここは心の声と対話して、残りの人生でするべきことを絞っていくタイミング。多くはできない、それが人生。

まだ暑さが残る夏頃に、同級生と飲みに行った。その彼は僕の知り合いの中でもトップクラスに破天荒。結婚離婚を繰り返すこと数回。この世に自分の遺伝子は10人以上はいるとかいないとか。自分で会社を興し、失敗成功を繰り返しながらも、ご機嫌に生きている。

インスタをみているので、久しぶりな感じはなかったが、久しぶりに会う彼にはもう堅気の雰囲気はなく、反社のオーラが出ていた。小学生の時からの知り合いなので、何でも言える間柄過ぎて、僕が「もう見た目、反社の人やん」と冗談で言ったつもりが、彼はちょっと戸惑った顔をして、え?って。そりゃそうだ、実際は反社じゃない。失礼なことを言ってしまった。ま、僕からすれば彼がどうであろうが、気にしてないよってことを、言いたかっただけで。いや、ちょっと待てこの話の下りはいらなかったな。なんせ破天荒な男ということを伝えたかった。見た目もイカついのである。

今回僕は、そんな彼から今後の人生のマインドというか、生き方というか、何が凄いメッセージを受け取った。

彼の人生の壮絶さたるや、じっくり聞けばドラマのワンクールになるだろう。いや、表裏を入れたらそれでも語り尽くせない。なんせドラマチックな人生を送っている。振り幅というやつか。強烈なプラスがあれば、強烈なマイナスがくる。これはもう法則である。なので、ドラマを求めている僕からすればある意味で羨ましいが、聞けば聞くほど、羨ましいとは思わないくらい壮絶なのである。彼本人も、こんな人生ごじゃ過ぎて大変やと何かを反省しているようだった。

原因があるから結果がある。彼はよくわかっている。

ある日突然フェラーリを買って帰ったらしい。そこには男の夢が詰まっていて、奥さんに意気揚々どやっ!と自慢げに披露したら、アホちゃうか、横に誰乗せる気なん?って。いやいやいやいや、お前やんっお前を喜ばしたろかと思ってって嬉しげに言ったら、いやいや、子どもら乗せれんやんって。お、おう。お、おう、その通りやな。言われて冷静になって気がつく。男の夢はいつも女心がわかっていない。ふむ、確かにいらんなと気がつく、絶対にフェラーリはいらん。必要なのはファミリーカーだ。

その後もいい時計をしてはキャバクラ、スナックにお金を落として、気がつけば年間で800万円使っていたという。恐ろしい体力と財力。

改心したと彼は言う。根の破天荒さは残しつつ、これからはもっと多くの人に喜んでもらえるお金の使い方をする。

三方よし。これは商売人がまず初めに覚える基本の心構え。買い手よし、売り手よし、社会よし。買い手に得をしてもらう。売り手にも得がある、それが回り回って社会貢献、周りに還元される。三方よし。100周くらいして基本のこれに辿り着いたという。

津軽海峡は大間で本マグロを釣ってくる。それによって、周りを喜ばせようと彼は動き出したのだ。会社で稼いだお金を全て、キャバクラのお姉さんにチヤホヤされるために使っていたのを一切辞めて、マグロ釣りに使い、そのマグロで周りの人にタダ同然で振る舞い、それを捌く友達のお店が、結果として潤うような流れを考えた。

この話が僕の心に強烈なほど刺さった。内容は違えど、僕のカブトムシの話に近い。そんな破天荒プランを生き生きと語る彼の眼差しが嬉しかった。

さてさて、人生の後半戦。秋から冬にかけて、今まで通りに歩みつつ、もっと人のお役に立てるように考えていきたい。心底そう思った彼との飲み会であった。誘ってくれた彼には感謝である。


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