晴る 感想 考察

葬送のフリーレン第2期OP「晴る -ヨルシカ」遂にMVが出ました。丁度2ヶ月前の1/5にリリースされた曲ですね。僕はMVを心待ちにしていました。ヨルシカのテーマが「別れ」でありながら一見(普通の応援ソングのような歌詞では?)と思っていたので、n-bunaさんの伝えたかったものを知りたかった、と同時に、何故この歌が葬送のフリーレンの主題歌に抜擢されたのかが知りたかったのです。

まず、率直な感想です。
久しぶりにアニメーションのMVで、凄くワクワクしました!!1本の映画を見るような、ほんの5分にも満たない映像でしたがとても感情を揺さぶられる、濃い時間になりました。そして何より、切なさがひしひしと伝わってくる演出に涙が自然と流れてきてしまいました。
「葬送」の意味が凄く感覚的に、そしてダイレクトに伝わるMVだったと思います。

考察とMVから読み取れること

(あくまで1個人の解釈なので、間違っていると思います。深夜に書いているので表記ズレや誤字があると思いますが、暖かい目で見ていただけると幸いです😊 )

1番

映像はお父さんが歩いているところから始まります。(ちょっと「ブレーメン」のMVのような雰囲気がありますよね。)これは後に出てくるシーンも含めて考えると、壁の奥側と考えることが出来ます。丘の頂上を縫うようにして壁が建っているとすると、壁の向こうから来た親子、と考えられます。

お父さんと男の子がひさしの下でくつろいでいるシーンです。男の子はおじさんに撫でられていますが、髪が揺れません。ここの時点でおじさんは既に死んでいる可能性を示唆しています。男の子は起きた後、お父さんの方を見ています。次に、ポストを確認しますが空でした。
からのポストもなにか意味があるのでしょうか。

男の子が穴を掘るシーンです。シャベルも使わず、真っ直ぐな木の棒で掘るあたり、この親子の家は裕福でない、またはスコップが使えないような事情を抱えた時代を描いていると予想できます。直後、空を通る飛行機に親子は空を見上げます。この飛行機は多くの方が「アメリカの輸送機」と言う考察をされていましたが、私は純粋に「輸送機」として解釈します。(この理由は後述します。①)最後に、丘から壁を背にして海の方角を眺めて1サビは終わります。このカット、何度も出て来ますが、全て場所は同じと考えて良さそうですね。

2番

雨が降っています。
お父さんはまたひさしの下で、男の子は家の中で何かを書いています。(「ノーチラス」のエイミー、藍二乗の僕に近い構図ですね)
1番でもそうですが、「匂いがした」の歌詞の部分で男の子が匂いをかぐ仕草をするのがいいですね。お父さんは男の子に口付けをしますが、これも男の子は無反応。と思ったら急に壁に駆け出します。

雨の降る空が移ります。これ、じっと見てると目に見えませんか?「あなたの目にビイドロ」の歌詞はこれを指しているんでしょうか。1番では「あなたの目は」なので、親子の目が綺麗な緑色な事を指していて、ではこの「あなたの目に」の「あなた」は誰を指すのか、この後に男の子が泣いてるシーンがあるので、男の子かな、とも考えたのですが、僕はお父さんの方なんじゃないかな、って思います。(これも理由は後述します。②)

不穏な空気が漂って来ました。男の子が掘った穴の中、お父さんには見えません。男の子は壁に近寄るなり、泣き崩れてしまいます。心配して駆け寄ったお父さん、水溜まりを見て、自分が写らないことに気付きます。ここで、お父さんは自分がもう死んでいる事に気が付くわけですね。

cメロ

過去の回想(?)に場面が移ります。親子が昔、壁の向こうからやって来たシーン(仮)です。
木に焦点が当たってますが、この木はオリーブの木、という考察が多くされています。(この映像に出てくる場所を僕はゴットランド島だと考えているんですが、スウェーデンではオリーブオイルの生産が行われている"らしい"ので、辻褄は合います。)

場面少し飛んで、お父さんの目に涙が浮かぶシーンがあります。「②」このシーンでは、目に涙が浮かぶのは分かっても、涙が溢れる所まではかくにんできません。これは、雲の上(天国)に行ったお父さんは「雲の上では晴る」→「天国では泣かない」と解釈すれば泣いているシーンが描かれないことにも納得できます。
また「あなたの目にビイドロ」と結び付けて考えると、雨の降る空を写したシーンで雲が目のように見えたのは偶然じゃないのかもしれませんね。

ラスサビ

タイトル「晴る」がここで出て来ます。
晴るの「日」と「月」が雫のような点になっています。これは、「どんな事があっても(雨が降っても)いつか何とかなる(いつか晴れる)」ことを示唆する「雨」と「晴る」が融合したオシャレなタイトルだと思ってます。なんとも言えない不安定さを抱えた「晴る」のように見えます。

タイトルの後ろの風景は天国を表していると考えます。お父さんは死んでいますが、男の子は死んでません。しかし、「お父さんに支えてもらわなければならない男の子」が死んだと考えると、どうでしょうか。(後述③)

今までのシーンの本来の姿を見ることが出来ます。男の子が最初見ていたのはお父さんじゃなくて空。雨の降る日に書いていたのは滲んでいてはっきりとしませんが、「Dear father」のように見えます。この後のシーンで帽子の上に乗せるあたり、間違いないと思います。

①-このシーンで手紙を書いた理由に繋がると考えたのが「輸送機」です。男の子にはお父さんが死んでしまったという事実を知る術が必要だと考えた時に、最初のシーンでポストを確認したのは、父の情報が届くのを一人家で待っていたからなのでは無いかと考えました。そうすると、壁の向こう側との直接の行き来ができない以上、飛行機のような存在が手紙やドックタグ、遺品を輸送する必要があるからです。

③-このシーンでは手紙と帽子を土に埋める男の子が描かれます。このMVで確認できる、唯一の男の子の家族を失って、悲しみに暮れても、ちゃんと弔う強さをもっていると読み取れます。このことから、前述した「お父さんに支えてもらわなければならない男の子」は天国に行ったと解釈しても不都合はないと思います。
実際、「壁の無い景色」も壁が無くなろうと、あったと言う事実が残る限り死んだと同義なので。

最後に壁を越えていく鳥が写ってこのMVは終わります。

ありがとうございました

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