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雨の日が続いています。これはこれでいいけれど

2023年8月2日。
今年も猛暑になるものだと思っていた。2018年以降そうでない夏を知らないし、実際7月中旬までは晴れの日が多く、最高気温はおおむね30度を超えていた。冷房のないドイツだから、自宅の壁が徐々に熱を蓄えていき、室温はいつからか早朝でも28度が常態と化していた。布団をかけて眠ることなどできなかった。

曇天と雨が基調となっている現在は室温が24度である。過ごしやすいはずなのだが、新鮮な空気を得るため窓は常に斜めに開けていることから、雨が降っていると半袖ではちょっと寒く感じる。長袖の上にベストを羽織った日もある。体は冷たいものを欲しがらず、蕎麦とうどんはこのところずっと温かい汁で食べている。スマホの天気予報をみると、フランクフルトの最高気温は今後も20度前後で推移する見通しだ。

昨年の夏はこのコラムで猛暑にあえいでいることを書いた。極度の暑さは体に大きな負担であり、頭はストライキを起こし、仕事に必要な思考作業を拒否した。そういう事態はできるだけ避けたいため、冷夏は歓迎すべきなのだが、わがままなもので「このまま秋に突入してしまうのは嫌だな~」などと思っている。最高気温が28度程度の晴れの日がやってきて欲しいものである。青空が見えないと気が滅入る。

個人的な思いではなく、社会的な次元でみると、雨は恵の雨と言えるかもしれない。近所の畑ではここ数年、トウモロコシが毎年のように生育途中で立ち枯れとなっていた。今年はおそらく豊作にはならないにしても収穫はできるだろう。山火事などのリスクも低下している。

化学メーカーなどにとって重要な交通インフラであるライン川で船舶の積み荷制限をせずにすむのも大きなメリットだ。先週の日曜日、マイン川がライン川に合流する「マインシュピッツェ」まで自転車で行ってきた。このところの雨のおかげで水は満々としていた。ライン交通のボトルネックであるカウプの水位は1日13時時点で170センチメートルである。大型船が積み荷を減らさざるを得なくなる135センチを大幅に上回っている。7月中旬からしばらく100センチを割り込んでいたことを考えるとうそのようである。雨勝ちな天気は今後も続く見通しのため、今月は十分な水位をずっと保てるかもしれない。

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