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機能的で美しい日本の箒(ほうき)


箒との出会い


わたしは毎朝、
ホウキで床を掃除している。

わたしとホウキとの出会いは、
12年前の雑貨屋さんだった。

昔ながらのホウキ
穂を束ねている紐が描く、
さりげない模様。

直感的に素敵だなあ。
そう思って、手に取ったのが始まり。

わたしの愛用する箒

箒の良いところ


なめらかな掃き心地が気持ち良い。
穂の固さがちょうど良いのだ。

穂はギュッと束ねられている。
決してくずれない。
12年経っても丈夫である。

職人さんの丁寧な仕事が感じられる。

穂の部分を拡大すると、
一本一本が縮れている。

この「縮れ」のおかげで、
ほこりや髪の毛を絡めとれるわけだ。

箒の穂を拡大

今持っている箒たち


12年前に購入して以来、
小ぶりなものを買い足して、
現在持っているホウキは3本。

それぞれ、使い分けている。
小ぶりなものは、
卓上や小スペースで活躍
している。

わたしの愛用する箒たち

真ん中にあるホウキが一番新しい。

今年の2月、
群馬県川場村にキャンプに行ったときのこと。
川場村田園プラザという道の駅に立ち寄った。
そこで購入したものだ。

群馬県伝統工芸品の箒


川場村田園プラザでは、
群馬県の伝統工芸品として、
職人さんが作られたというホウキが、
大小さまざま、たくさん売られていた。

川場村田園プラザの箒売り場
TABIZINEのサイトから拝借しました

わたしが行った時は、
この写真よりも、
もっと多くのホウキが売られていた。


手作業で作られているため、
一つ一つ異なるところがまた良い

紐の色だけではなく、
束ね方ひとつとっても
決して同じものはなかった。

コンパクトなものが欲しい、
そう思っていたため、
「2玉」というサイズを選んだ。

川場村伝統工芸品の箒

原料は「ホウキモロコシ」という
イネ科植物の穂茎とのこと。

小ぶりなものは、
茎の細いものだけを集めて製造したと、
商品のタグにかいてあった。

川場村の小箒2玉の特徴
職人さんの情報



このホウキは、
リビングの傍らに吊るしていて、

気になったとき、
さっと掃けるように、
スタンバイしている。

家具のすき間や、
床のすみっこのゴミを集めるとき、
大活躍している。

リビングにスタンバイ

機能的で美しい日本の箒


一番最初に購入したホウキは、
どちらの工芸品かわからないのは残念だが、

こうやって作り手が見えるもの。
職人さんが手作業で丁寧に作られたもの。

こうした商品は、愛着がわく
大切にしたいと思える。

使い勝手も良くて、
実用的であるから、

さらにさらに、愛着がわく。

日本の各地でホウキは生産されているのだろう。
ざっと調べるとこんな記載があった。

箒の産地
もともと箒は農家が農閑期の副業で作っていたと考えられており、明治以降、都市部の近代化にともなって、関東地方を中心とする各地に専業の箒製造業者が現れました。群馬県の川場や栃木県の鹿沼、埼玉県の上福岡、東京都の練馬といった地域が大きな産地として成長し、神奈川県の愛甲郡中津村(現在の愛川町中津)もそのひとつでした。

中津箒のホームページより引用

関東地方中心なのだろうか。
そんなことはない。

和歌山県の伝統工芸品には、
棕櫚箒(しゅろほうき)というものがある。
棕櫚の木の幹の皮を穂先の素材に使った和箒。

ホウキモロコシの箒と雰囲気が随分違う
これも素敵だ


少し調べただけで、色々なホウキが出てきた。
奥深いなあ。

日本のホウキは、
機能的に優れた単なる掃除道具ではなく、
その姿も美しい

自然と調和する心地よい感覚は、
そこから生まれてくるのだろう。

先人の知恵と技術でつくられたホウキ
大切にしたい日本の伝統工芸品だと思う。

機能的で美しい日本のホウキ
一生使いたいアイテムである。


※  ※  ※

ホウキとセットで使用するちりとりの話を少し。

柿渋のちりとり

一番最初のホウキを購入したとき、
一緒に購入した柿渋のちりとり、「はりみ」。
こちらもホウキとセットで愛用中だ。

柿渋のちりとり

和紙に柿渋を塗って仕上げている。

この色も素敵。
この曲線もわたしは好き。
うしろ姿だって、凛として美しい。

後ろ姿も美しい
箒とちりとり


無印良品から天然素材の箒が発売

2023年10月9日追記

先日無印良品巡りをしていたら、天然素材のホウキを発見しました。
無印良品からも天然素材の掃除用品として、ホウキが発売されたようです!
驚きました。
シュロも、ホウキモロコシもありました。
形もさまざまでワクワクしました。

無印良品のホームページより/ほうき


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