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得られなかったもの 叶わなかった夢 見えない今

ぺんぺん草で遊ぶのが大好きだった
大きな実のぺんぺん草を選び
慎重にひとつずつ実を折り
耳元で揺らす

飽きもせず
ぺんぺん草の季節はぺんぺん草で遊び続けた
心地好い音が今でも耳に残っている


虐待の中で小さな幸せを
大事に大事に胸に宝箱拵えて仕舞い
時々取り出しては宝箱に潜る

安心や安全は無かった

その分
不意に訪れる幸せを拵えた宝箱にそっと仕舞う

不安と恐怖と緊張の中で育ち
そこから来る癖はなかなかどうして抜け切らない


生まれて初めて…本当に初めて
自分のやりたいことを
なにも遠慮せず
叶えようとした
その夢は
暴力で粉々に砕けた
未だに欠片を握り締め
血が流れ続けている

宝箱から取り出して
きらきら輝いて
楽しいという感情を初めて味わって
それが恐怖に一変したのに
あの砕け散った楽しかったを手離せない


花曇りのお天気も相まって
突然涙が溢れる

気付くと泣いている
おいおいと泣き続けた朝
朝ご飯は全部涙で使い切ったらしい


堪えてきた涙が溢れ続ける日
泣くことを堪えなくていい日

きっとそれはひとつの幸せ

苦しみなのか
悔しさなのか
怒りなのか

幸せなのか

何が何だか分からず泣く日


見渡せば部屋はお気に入りで溢れ
猫アレルギーの筈の私の傍に
安心して眠る猫ちゃんが居て
アレルギーは猫ちゃんにだけ出なくて

いくらでも眠っててもよくて
何も心配せず食べて

漫画を読み音楽を聴き
植物に水をやる

余りある幸せの中に居る

筈なのに絶賛情緒不安定
情緒不安定と書いただけで涙が溢れる

止まらない食欲
起きられないほどの眠気
鉛の様に重い身体

早く冬になれ

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