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【過去問演習用】 都立高校・進学指導重点校の合格最低点(ボーダー)の推計モデル 〜日比谷・西・国立・戸山・立川・青山・八王子東〜

※この記事は令和6年度入試の合格最低点の予測ではありません。過去の合格最低点の推計の記事です。

立川高校の普通科は創造理数科からのスライド受検があり、受検者倍率と実質倍率が大きく異なるというご指摘を別の記事でいただきました。立川高校の令和4年度と令和5年度の倍率を修正し、合格最低点の推計値を計算し直しています。(2024/2/25)

子供の都立高校受験(令和5年度入試)の際に、進学指導重点校の合格最低点(ボーダー)の統計予測モデルを作ったので、その内容を紹介する記事を書いてみました。

その記事が想定以上に読んでもらえているようだったので、調子に乗って、今年の入試(令和6年度入試)でも合格最低点の予測の記事を書きました。入試当日の夜に投稿したのが良かったのか、3日間で3,000ビューを超えています。有り難い限りです。

たぶん読者の多くは受験生と保護者で、統計予測モデルにはあまり関心なく、今年の合格最低点の予測値に興味があるのだろうと思います。そのため、これまでの記事では、過去の推計値は記載していませんでした。(過去なので予測値でなく推計値という表現に変えています)

でも、もしかしたら将来の受験生が過去問をやった時に、その年度の合格最低点を知りたいと思うかもしれません。その場合、これまでの記事では、このニーズには応えられません。

そのため、そうしたニーズを想定して、過去に遡って合格最低点の推計値を改めて算定しなおしてみました。

1. モデルの説明

都立・進学指導重点校を対象に、受検者が正規分布するという前提の下、受検者倍率と3教科平均点(国数英)を用いて、合格最低点を予測するものです。理社の点数、内申点、ESAT-J得点は、「高校ごとには違うが、年度ごとには変動しない定数」として扱っています。

モデルについて詳しく知りたい方は、初回記事(令和5年度入試)を読んでみてください。ただ、定数については、子供の塾の追跡調査結果を見ながら、この記事のものから少し修正しています。

なお、これまでの分析では、過去の3教科平均点は、こちらのサイトに掲載されている数字を利用させていただきました。
https://www.plusgym.jp/blog/metropolitan-high-school/180725average/

2. 過去の合格最低点の推計結果

平成30年度から令和5年度の都立・進学指導重点校の合格最低点の推計値(ESAT-J含む1020点満点)は、この表のブルーのエリアの数字になります。令和4年度以前はESAT-Jがなかったのですが、経年比較のために、合格最低点はESAT-Jも含めて計算しています。

理社と内申点とESAT-Jは学校ごとの定数のモデルのため、総得点ボーダーは3教科ボーダーに比例します。そのため、3教科ボーダーもグレーのエリアに記載しています。

なお、3教科は自校作成問題のため、3教科ボーダーの数字の高低は高校の難易度とは直接的な関係はありません。

表1

3. 合格最低点の変動幅について

ざっと眺めると、年度による変動の大きい高校(日比谷・西・国立・青山)と変動の小さい高校(戸山・国立・八王子東)があることに気付くと思います。総得点ボーダー(1020点満点)の箱ひげ図はこのようになり、変動の大小は顕著にわかります。

今回の予測モデルは、受検者倍率と3教科平均点の2つの変数で総得点ボーダーが決まる形にしてあります。そのため、高校ごとの変動幅の大小はこの2つの変数の変動に起因します。

受検者倍率と3教科平均点のそれぞれで箱ひげ図を作ると、このようになります。グラフ2が受検者倍率、グラフ3が3教科平均点です。この2つをマトリクスにしたのが、初回記事のマトリクス表になります(少し定数は変えてますが)。

グラフ2
グラフ3

4. 最後に

合格最低点の推計値(予測値)は、正規分布を前提とした簡易的なモデルによる算定です。子供の塾の追跡調査を見る限りは、モデルは大きくは外れていないものの、定数の理社の平均点の変動によって、ボーターは10点くらいズレている可能性はあります。

過去問をやるときには、ボーダーとの比較で一喜一憂せずに、あくまで参考程度に使ってください

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