練習の考え方 #1 【練習曲を3つの段階に分ける】

はじめに

こんにちは。麻生洋平です。

練習ってなんでしょうか?
楽器演奏の上達のためには、練習は必要不可欠です。
でも練習は大変。
なるべく楽して少ない努力、短い時間で上手くなりたいです。

そのためには練習に対して、どう取り組めば良いのか。
そして練習について、どう考えれば良いのか。
今日はそれを考えていきたいと思います。

そもそも練習をしなければならないのは、
どういった時でしょう。
例えば新しい曲を弾きたいと思った時。

なにか曲を聴いて、突然ひらめきが生まれます。
「自分もこの曲が弾きたい。」

それを自分の楽器で演奏してみます。
譜面があればそれを見ながら、
ネットでコードを探しても良いですね。
耳コピーなんかで曲を覚えても良いですね。

でもほとんどの人はすぐにその曲を弾けるようにはならないはずです。
すぐ弾けるんだったら練習の必要はないですね。

その曲を弾けるようにするためには、
練習のストラテジー(戦略)を立てないといけません。
何事も準備が大事ですね。

練習曲を3つの段階に分ける

僕はまず、練習する曲を「ホップ、ステップ、ジャンプ」の3つの段階に分けます。

1つは、ホップ「新曲」
2つ目はステップ「磨くべき曲」
3つ目はジャンプ「レパートリー、ステージ用の曲」です。

今回は「新曲」について説明します。

1、ホップ「新曲」

新曲とは、その名の通り、弾きたい曲、今から練習を始める曲です。
下記チェックボックスが当てはまる場合、それは「新曲」に当てはまります。

新曲のチェックボックス
□まだ弾けない
□まだ暗譜していない
□頭の中に曲のイメージがない

この段階の曲でまず大事なことは、曲を聴いてしっかり覚えることです。
イメージトレーニングですね。
楽器はまだ持たなくて良いです。

曲を聴きながら口ずさんだり、何もないところでメロディーを口ずさんで曲の構造を覚えましょう。
歌詞があれば、覚えてしまっても良いですね。
そうして曲の世界観に慣れていきましょう。

そして練習を始める前に大事なこと。
まずその曲が自分の今の演奏のレベルに適しているかどうかをチェックします。簡単すぎないか、難しすぎないか。
自分のレベルより少し高い曲を課題にするのが、一番レベルアップに適しています。
先生がいれば聞いてみるのが安全ですね。

目標テンポの設定

その曲が自分のレベルに合っていれば、次は目標テンポの設定です。
最終的にどのくらいのテンポで弾きたいかを、
メトロノームで探しておきます。

練習前の準備
□自分のレベルに合っているかどうか
□目標テンポの設定

「目標テンポ」が決まったら、いよいよ練習をスタートさせていきます。

セクション分け

まず曲をセクション分けして練習していきます。

Aパート、Bパート、と広い範囲で練習するのではなく、
1小節、2小節、4小節ずつなどの小さいセクションに分けて練習します。
漫然と長い範囲を覚えるのではなく、短いセクションを集中して覚える方が、時間もかからず効率的ですね。

最初はメトロノームは使わなくて良いです。
まずそのセクションを口ずさんで覚えます。
体の中では原曲を流すイメージで、それに合わせて口ずさみます。
ゆっくりのテンポでも大丈夫です。
これは僕が「中(ナカ)」の練習と呼んでいるものです。
体の「中」でイメージを作って、それを口に出す練習ですね。

イメージが掴めたら実際に楽器を演奏していきます。
これが「外(ソト)」の練習です。
体の外の動きの練習なので、「外(ソト)」の練習と名付けました。
この時、できれば運指もしっかり決めておいた方が良いですね。
コピー元がいる場合は、奏者の運指を参考にしましょう。

ある程度、そのセクションに慣れてきたら、メトロノームを使います。
この時「目標テンポ」よりだいぶ遅めのテンポ「仮テンポ」で練習しましょう。
(半分以下のテンポでも大丈夫です。)
まずゆっくりの「仮テンポ」を決めたら、楽器は弾かず口でフレーズを言います。
「仮テンポ」で口でフレーズを言えるようになったら楽器に移します。

ちなみに僕は3回連続で成功したら、OKを出して次の段階に進みます。
2回成功して、3回目で失敗したら、また一からやり直しです。
3回連続で口で言えたら、楽器を持ってください。

楽器に移ったら、「仮テンポ」で口で言っていた音のイメージに合わせて演奏します。
この時、運指が毎回同じ動きになるように練習してください。

3回連続繰り返しの練習をすると、記憶が定着するので、間違えた運指で練習しないようにしてください。

先生がいる場合は、まず曲全体の正しい運指を決めてもらってから、練習スタートするのがおすすめです。
3回連続弾けたら、そのセクションはオッケー、と言うことで次のセクションに進みましょう。

練習のチェックボックス
□まず口で練習する箇所を言えるようにする(中の練習)
□正しい運指を決める
□3回連続成功したら次に進む
□口のイメージに合わせて演奏する(外の練習)
□「仮テンポ」のメトロノームに合わせて練習する

セクションをつなぐ

ある程度セクションが溜まったら、セクションを繋ぐ練習をします。
2小節で練習していたものを繋いで、4小節のセクションにしていきます。
それが終わったら4小節のセクションを繋いで8小節にしていきます。

まず長くなった新しいセクションを口で言えるようにします。
それができたら楽器で演奏します。
この時、セクションの繋ぎ目、最後の音と最初の音の運指をあらかじめ確認しておくと良いですね。

セクションを繋ぐチェックボックス
□セクションを繋いで長いセクションを作る
□長いセクションを弾けるようにする

この練習を繰り返して先に進んでいくと、セクションがつながって、朧げながらも全体が弾けるようになってくるはずです。
この時、曲自身も聴き込んで、頭の中で楽器を演奏せずに最初から最後までなんとなく流せるようになっていると良いですね。

この練習の時気をつけるのは、毎回頭から弾くのではなく、今覚えたいセクション、苦手なセクションから練習することです。そちらの方が効率的で、短い時間で曲全体を覚えられるでしょう。

次のステップへ進む

ここまできたら「新曲」の段階はクリアで、次の「磨くべき曲」へとステップアップできます。下記チェックボックスが当てはまるかどうかチェックしてみてください。

「新曲」から「磨くべき曲」への移行のチェックボックス
□譜面見ながらでも、なんとか完奏できる
□メトロノーム無しでなら、途中つっかえながらも完奏できる
□曲のイメージを頭から最後まで、頭の中で朧げながら流せる

これらのチェックができれば、次はステップ「磨くべき曲」へ進みます。
次回をお楽しみに!

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