見出し画像

「いつだって答えは自分の中に」服のたねを育てるという僕らなりの心地よい提案

僕たちEVERY DENIM兄弟が、鎌田安里紗(かまだ ありさ)さんと出会ったのは、いまから3年前、2016年春のこと。

徳島出身の彼女は高校進学とともに上京、雑誌モデルやアパレルの販売を通じて10代のころから洋服の業界に携わっており、僕らと出会った23歳のころはすでに「エシカルファッションプランナー」という肩書きで活躍していました。

強そうな肩書きにそぐわず鎌田さんはいつも等身大で、飾らず自分の感覚を大切に、平等で、本質的なのに柔らかくて、そんな人です。

彼女の人柄に惹かれ意気投合した僕たちは、夏には岡山のデニム工場を一緒に訪れ、対談し、冬には製品を一緒に企画し、次の春には生産現場を巡るツアーを開催しました。

製品企画もツアーも、どちらにも共通している想いは

「自分が自分で納得する答えを見つける」

ということ。

デニムブランドEVERY DENIMとしては、製品を届ける上で、それがどこでつくられているのか、どんな人がどういう想いでつくっているのかを知ってほしい、という気持ちでやっています。

でもそんな風に生産背景込みで伝えようとするのは、それが決して正しいからとか、必要だからだと思っている訳ではなくて

ただ、自分自身がどういうモノの手に入れ方が心地いいのかを考えた時に、「つくり手の想いを知りたいなあ」という気持ちが浮かんでくるからです。

何を決め手に、何を理由にモノを手に入れるのか。

「安さー高さ」「便利さー不便さ」「丁寧さー雑さ」「独特さー平凡さ」

いろんな指標がある中で、結局、自分で決めた答えが一番納得できるし、それが自然なことだと思うのです。

もちろん、人から薦められたからというのも、答えのひとつ。自分で決めたことなんだから、立派です。

答えがある、理由があると言い換えてもいいかもしれません、というのは幸せなことで、逆は「なんとなく」ということ。

僕は「つくり手の想いを知られる」という理由を大切にしているし、もちろん同じ気持ちの人がいれば、嬉しい。

理由はいつだって変わっていくし、同じ時期でも状況によって違うかもしれない。

でもいつだって「自分で決めた」なら、それでいいんじゃないかなというのが、僕の暫定の答えであり、そんな考え方を僕にインプットしてくれたのが鎌田さんでした。

彼女と企画し2017年冬にリリースした製品「Story」のメッセージには、以下のことが書かれています。

なんとなく、それっぽく、でつくられたものよりも、このために、だからこそ、でつくられたものに囲まれたい。

そんな暮らし方が素敵なんじゃないかと、わたしたちは考えています。ものができたそのわけを、語りたいし、知ってほしい。

客観的な正しさじゃなくて、個人的な理由でいいから。「安いから」「早いから」よりも「好きだから」「心地いいから」でいいと思う。

“わたし”を主語に語れるデニム。あなただけの「story」を、あなたなりに語ってください。

「答え=自分で決めるもの」なんだとしたら、僕が他の人の答えなんて持っているわけがない。

つくり手の想いに触れてもらったり、つくることに携わってもらうことは、そしてそれを「モノを手に入れる理由」にしてもらうのは、やっぱりどこまでいっても一つの提案です。

そんなようなことを鎌田さんとは日頃から話していて、一緒に駆け抜けた2017年。

その次の展開として、翌年2018年立ち上がったのが「服のたね」という企画でした。

服のたねは「コットンのたねが服になるまでの過程を共有して楽しむプロジェクト」と題し

参加者が各自で種を育て、生育過程をオンライン上でシェア、できあがったコットンを素材とした服がつくられる過程を工場で見学し、最後に完成した服を着る。という企画です。

言葉にすると難しいですが、要は「自分の育てたたねが服になる」ということ。そしてそれを身につけられるということ。

服のたねは現状、僕らが考える、自分なりに答えを持つための一番の提案です。

自分で素材を育て、自分の目で服になる過程を見て、その上で、手にする。そこまでして得られる納得感を、ぜひ一度経験してみてほしい。

おそらく、育つコットンの愛しさにときめくだろう

おそらく、素材が糸になる精密さに驚くだろう

おそらく、生地にする機械の音が胸に沁みるだろう

おそらく、服が完成した時やっとできたと思うだろう

かならず、かけがえのない一着になるだろう。

もう一度いう。モノを手に入れる上で、自分で見つけた理由なら、なんだっていい、とびきり個人的でもいい。

「色がきれいだ」とか「形が良い」とか「好きな人がつくった」とか

いろんな理由がある中での、ひとつとして「生産過程に携わった・見た」が同じくあるだけ。

ただ、この理由は楽しい。自分の言葉で、たくさんのことを語れるようになるから。

素材のつくり方を知れば、モノの見え方が変わり人に説明できるようになる。

つくり手の想いを知れば「ありがとう」と感謝を伝える相手ができる。

確かな納得感は自信に変わり、身につける自分を魅力的にしてくれる。

服を大切にするきっかけを与えてくれる。

服のたねでできた服は、そんな納得をもたらしてくれると僕は信じてる。

どうか服のたねに関わってくれた人は、手にした服へ、誰かの用意した言葉じゃなく、自分の言葉で想いを語ってほしい。

この企画を通じて、モノの手に入れ方において自分なりの答えを見つけることができたのなら、それに勝る喜びはありません。

ねえ、鎌田さん笑


◆昨日配信した「服のたね」案内についての説明動画はこちらからご覧いただけます

◆申し込み方法について


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

最後まで読んでくださりありがとうございます。いただいたサポートは僕の生きる糧にいたします。

ぼくも大好き!
15

山脇 耀平 / EVERY DENIM

岡山発兄弟デニムブランドEVERY DENIMの兄 / えぶりシティ市長 / 2018.4〜2019.7 キャンピングカー「えぶり号」で全国47都道府県を巡りました!! / 2019.9.10まで伊勢丹新宿で企画展を開催中です

#お店 記事まとめ

思想を持ったお店をつくったり、運営、デザインをしているひとやその感想などの記事をまとめるマガジンです。

コメント1件

「自分で素材を育て、自分の目で服になる過程を見て、その上で、手にする」っていうのは画期的ですね。
妻がセレクトショップをやっていて、都内で個人やご夫婦でやられているブランド(服作りは丁寧です)も知っているのでファッションは興味があります。またファストファッションは、衣類ということは認めるから、できれば「ファッション」という言葉は使わないでほしいと思っています。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。