思うことと、思うようになること

「ぼくはこう思う」という話と、「ぼくはこう思うようになった」という話。この2つは似ているようで違うと思っています。

そして、ぼく自身がどっちの話を聞きたいかというと、圧倒的に後者のほうなのです。

「こう思う」という話はいわば論理的な説明です。「こう思う、なぜならこうだから」という筋が通っているかが問われるわけで、結論としての意見は置いておいても、説得力があればそれは魅力的なお話になります。

一方「こう思うようになった」というのは、自身の体験、感情の変化が主になります。そこにはもしかしたら理屈はないかもしれませんし、説得力もないかもしれません。

でも、性格とか、価値観とか、いろんな”個性が”あるといわれているぼくたち人間の、意見が変わったり、思いが変わったりすることは、とてもすごいことのような気がするです。

それはけっして「説得されたから嫌々変わった」のではなく、なにか重大な経験を通して、自分の心の内から素直に起こった変化であり、ぼくはそういう変化の話を聞くのがとても好きなのです。

人の思いの変化の中には、論理を組み立てるプロセスにおける、いろんな悩みが垣間見えます。人の言葉や態度に影響を受けて、「自分は本当はどう思っているのか」をああでもない、こうでもないと考えた上で、納得いく結論を出しているのです。それはとても人間らしくて素敵な時間だと思います。

このブログでも、けっして主義主張や意見の表明に留まるのでなく、できるかぎり、考えたことのプロセスや綺麗じゃない部分も出せていけたらなあと考えています。

山脇、毎日。