見出し画像

プリンス、チャカ・カーン、ホイットニー・ヒューストン

僕は2011年にチャカ・カーンのバンドで弾いていた事があるのですが、その初めての仕事がロサンゼルスで行われたプリンスのコンサートの前座でした。

チャカカーンがプリンスの前座というのもすごいですが、この時プリンスはロサンゼルスにあるThe Forum(ザ・フォーラム)という会場で約2ヶ月間に渡って毎週末ショーをやるというコンサートシリーズを行っていて、その前座アーティストも日替わりで変わってチャカ以外にもアンソニー・ハミルトンやミントコンディションやはたまたエスペランザ・スポルディングなど錚々たる顔合わせで夜な夜な豪華なコンサートを繰り広げていたのです。

ちなみにザ・フォーラムはNBAのLAレイカーズがかつて本拠地としてプレイしていた会場でロサンゼルスの中ではそれなりに歴史があって名の知れたアリーナです。

当時のチャカのミュージックディレクターでベーシストだったアンドリュー・グーシェはロサンゼルスで毎週末ジャムセッションを開催していて僕はその前年からホストバンドの一員として弾いていました。

ある日アンドリューから電話がかかり「今週末プリンスの前座でチャカがパフォーマンスする。普段弾いてるギタリストが出来ないから代わりに弾いてくれないか?」と言われたのでした。

それまでそんなビッグネームと共演した事がなかった僕はそれはもう興奮しました。しかしアンドリューから言われたのは「リハーサルをやる時間はない。音源を渡すから今から家に取りに来て当日までに覚えてきてくれ。」というものでした。

当時のチャカの曲のライブ用アレンジはオリジナルからだいぶ変えられていて物凄い数の「キメ」やコードのアレンジが施されていて覚えるのは相当大変でした。お隣さんからの騒音の苦情に平謝りしつつも気合い入りまくりで三日三晩練習しまくり本場に臨みました。

画像3

画像5

さすがプリンス!ステージの形が自身のトレードマーク!

画像1

明かりの影響で分かりづらいけどプリンス仕様の紫色にカスタマイズされたメサブギーのアンプを借りて演奏。

画像2

この時弾いたこのLone Starというアンプがその後自分のお気に入りのアンプになってメサブギーとエンドースするまでに至るのでした。

結局そのザ・フォーラムで行われたコンサートシリーズの期間中にチャカは2度前座やったので僕も2度演奏する事になるのでした。

画像4

2度目の時はなんとホイットニー・ヒューストンが観に来ていて飛び入りでステージに上がりチャカと「Tell me something good」を歌ったのでした!

この翌年にホイットニーが亡くなってしまうなんて誰も想像つかなかったでしょう。

自分たちの番が終わったら当然その場に残りプリンスのコンサートもタダで観ていきました。なんて贅沢な経験なのでしょう。

今は亡きプリンスやホイットニーなど歴史に名を刻むアーティストのパフォーマンスを生で観れて、しかも共演まで出来るなんて自分は音楽を通じて他人が出来ないとんでもない貴重な経験をさせてもらっている事に感謝の念でいっぱいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?