キャティが散歩をしていると、たんぽぽが咲いているのを見つけました。

「ふわふわになってる！」

一本だけ、たんぽぽはふわふわの綿毛になっていました。
「ようし、あのふわふわ、もって帰ろう！」

キャティは そろりそろりと近付きました。

「あ！」

びゅう！っと春風がふくと、たんぽぽのふわふわは空へ飛ばされてしまいました。

まてまて ふわふわ

ふわふわ まてまて

キャティは飛んでいくふわふわの綿毛を、夢中になって追いかけます。

あたたかい春風が、くるくると綿毛を飛ばします。

こらまて ふわふわ

ふわふわ えーい！

ぴょんぴょん飛んで跳ねて、キャティはとうとう、ふわふわをつかまえました。

「わあ！たかい！」

ふわふわをつかまえた瞬間、一緒にキャティは空へ舞い上がりました。

ふわふわ ひらり

ひらひらひらり

ひらひらり

「あ、あそこは わたしのおうちだ。」

ふわふわ ひらり

ゆっくりと綿毛は空をくだり、キャティのおうちの庭に落ち着きました。

「来年は、ここであなたに会えるのね。」

キャティはお水をくんで、たんぽぽの綿毛にかけてあげました。

おわり