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コロンブスの卵焼き




全灯 押しても無反応
嗚呼 薄気味悪い薄寒さに
気味悪さ焦土感さへ否めない
切実だと瀬戸際だと踏み切りの
鳥居に似たブロックが云う

青い街路灯だけが煌煌燈る宵
夜明けなのに夕焼けの疑懼

ハリボテの街並みに
段ボールで創られた人波
写真を繋ぎ合わせたなら
永久的総天然色で止まった時計

路端に吐き出されたガムに
透写されつゞける報道ノ充実

黄色い帽子に黄色い鞄のまゝ
陽に照らされ出社する影法師

草臥れ項垂れ灰色の地面で息する
雑草のが上手く生きてる御時世

だけど行って帰る場処が在るから
未だ未だ大丈夫を願おう
理想や夢は鉛色だから
妙に神々しかったり星の輝きみたく
薄っすら淡く遠くに感じたり
真っ白で真昼と打ち消しあったり
眺める感度で変わって
仕舞うけれど変わらない
ただいまおかえりキミの寝顔

ちっぽけな日常と描いて
半径三十センチ満たない
ささやかな平和をまもってる

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