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アレンジを担当したヴィヴァルディ四季 「The Four Seasons」の聴きどころ

リリース中の「The Four Seasons Antonio Vivaldi」の僕なりの聴きどころ

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1.ソロ楽器としてのヴィオラ、チェロ

 弦楽四重奏奏者が各ソロパートを担当しオーバーダブで録音、作曲当時(300年以上前)は伴奏が主だったヴィオラ、チェロが現代においてはソロ楽器として確立されていることの証明。

 ヴァイオリンの為に書かれた夏秋のソロパートをヴィヴァルディの楽器法の意図をくんで編曲し如何に違和感無く聴かせるか。

2.むき出しになった「四季」の姿

 通常ならば合奏によってお互いの音がマスクされるものが、弦楽四重奏+ソロ奏者というシンプルな編成により音色がむき出しになり、さらに最先端の録音技術でそれを捉えて、他には無いダイナミックでリアルな音楽を聴ける点。

3.協奏曲様式、対位法とサラウンドの親和性

 事前に行ったサラウンドシュミレーション上は協奏曲様式や対位法ゆえの掛け合いや複数のメロディ重ね合わせにより、音が暴れる現象が起こりましたが、マイキングの技術でマイルドな心地よい音場の揺れに変わった点。

Music-Video 4K

アルバム情報

配信開始 UNAMAS「The Four Seasons」ヴィヴァルディ「四季」4K PV&メイキング

「The Four Seasons」が初週総合1位

ヘッドフォン&イヤホンでの音楽リスニングに特化したThe Four Seasons【HPL5】とAfterglow【HPL5】が配信開始

e-onkyo / moraよりDSD11.2MHzフォーマットで7アルバム配信中

アレンジを担当したアルバムが、中国ソニーセレクトにて2018年下半期・2019年上半期ベストアルバムに多数ランクイン

アレンジを担当したUNAMASクラシックシリーズ・ドイツHIGHRESAUDIOよりグローバル配信中

4.杞憂と大賀ホールの響き

 編曲の際コントラバスがいないので低音を豊かにするためチェロをオクターブに重ねる配慮をしたのですが、
大賀ホールの豊かな響きとパワフルな演奏のおかげで杞憂になりました。

5.一つ間違えれば喧嘩

 スコアの作曲家はベストな音や編成で曲を世に送り出しているので、然たる理由が無い場合、よけいな音を足す・引くことは結構冒涜に近いものがあります。(作曲家はあまりいい顔をしないかも、一つ間違えれば喧嘩になります。)

作曲者の意図を組んで原曲のごとく違和感なくアレンジする方向で決めましたが、ヴィヴァルディが化けて出てくるのではないか(笑)と編曲の際は冷や冷やものでした。

エピソード〜積雪の吸音材、究極のハイレゾ

 録音時軽井沢は数十年ぶりの大雪で録音決行が危ぶまれましたが、大賀ホールを取り囲むその大雪が吸音材の働きをして、ありえないほどのノイズの少ない録音となっています。

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The Four Seasons -Antonio Vivaldi

The Quartet Four Seasons

アルバムのジャケット画像やタイトルをクリックすると、詳しい概要が掲載されている詳細ページ「ハイレゾ音源配信サイト【e-onkyo music】」へリンクします。

この文章は作曲家 土屋洋一のofficial blog 2014-06-21の記事より加筆修正され転載されたものです。

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