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振り出しに残してきた自分に追いついた

「貴女はなぜわざわざ向いていない方や本意でない方を選ぼうとするのか不思議でならない」
と度々言われるが、完全に無自覚な上になんなら考えに考え抜いた結果「やりたいこと」だと思い込ませて正反対の方向に走り出すタイプらしい。

それを踏まえると、今「ずっとこうなることを望んでいたんだな」と思える状態にすっぽりおさまっていることがかえって不思議に思える。
いろいろ見返してみれば再三「とにかく安心感がほしい」だの「落ち着きたい」だのと書いていたので、今度こそ自分の本心を汲んでやれたのだろう。
穏やかな中に自ら望んだ刺激をプラスできる、余裕のある日々のありがたさを噛みしめている。

この安心感に至るまでに私にとっては大きなレールチェンジがあり、各方面を巻き込みつつ迷走・毎日のように相談に乗ってもらいながらぐるっと回り道をして元いたところに戻ってきた。
住む場所を移すことも視野に入れて数ヶ月動いてみたけれど、様々な要素を天秤にかけた結果、関西に残る方を選んだ。
ここまでやって決めたことなら後悔もないだろう、という動き方をさせてもらえたことをとても感謝している。
と同時に、ここまで動かないと安心したい自分を許せないことが分かり、我ながら難儀な性分だなと呆れながら笑えるようになった。

個人の生業としての制作を少しだけ経験させてもらい、向かない部分や生じるストレスをリアルに体感できたおかげで、私を強張らせていた「社会との接点の無さ」「何の役にも立てない無力感」が段々と気にならなくなっていくのを感じた。
どんなに先を見たって、まず自分が理想とする世界観と向き合わなければずっと頭打ちのままなんだ、というところに行き着く。
仕事の行き帰りにお茶飲みながら次描くものについて悶々とする、何を読もうか、どこに行こうか、どんな気持ちを昇華しようか……今の私が守りたいのは、そういうことを考えている時間でしかなかった。
やっと落ち着いたこの環境も長く続くものではないと思っているけど、しばらくの間は大人しく内省することにしよう。

……とか言いながら大阪に戻って仕事が決まった瞬間音楽教室に申し込んでいるあたり、全然落ち着く気も無さそうな。笑
とうとう念願のコンサーティーナを習い始め、気付けば毎日触っているこの頃。
そうか、ピュアな好奇心ってこういう感じだったな。
絵と違ってダイレクトに気持ちが乗るのがとにかく楽しくて、このぶんだと思ったよりも早くフィードバックできる何かが掴めそうな気がする。
数年越しのやりたかったことが1つずつ叶っていくのが嬉しくて、歩いてるだけでにこにこしてしまう。
半年前は通勤電車で毎日泣いてたのに、変わったものだ。

最近特に強く思うのは、
体験したことから受ける影響のうち、その時点で気付けている恩恵は半分にも満たないのだろうなあということ。
なんとなく、今この瞬間に120パー感受しなくては……!と前のめりになっては期待したほど心が動かず落ち込んでいたけど、肝心なのはその後なのかも。
それについて共通の話題ができたり、関連する作品に興味を持つようになったり、オマージュに気付けるようになったり、自分以上にそれを欲している人と繋いであげられたり。
だから、焦らなくていいという言葉がやっと意味を持って響いてきた。

短期間に沢山新しい出会いがあったけど、迷いながら動くことをやめなかったことを褒めなかった人は誰もいなかった。

「君は自分に真剣だからね」という言葉が、お守りのように残っている。

#日記

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